「咆哮で始まった戦争、すすり泣きで終わったのか」― WSJ社説

「咆哮で始まったイランとの戦争は、すすり泣きで終わったのか。(Did the war with Iran that began with a roar end with a whimper?)」
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が8日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領の停戦宣言は時期尚早だと主張した社説でこう書いた。T.S.エリオットの詩『空ろな人間(The Hollow Men)』にある「世界は爆音ではなく、すすり泣きで終わる(Not with a bang but a whimper)」という一節を踏まえた表現だ。以下は社説の要旨だ。
トランプ氏の停戦発表を冷静に見れば、こう表現できる。
トランプ氏は戦争目標の一部は達成したものの、先週約束したことはほとんど実行できておらず、イラン政権は依然としてホルムズ海峡を脅かしている。
トランプ氏が戦争終結を望んでいることは明らかに見える。
トランプ氏は8日早朝、「トゥルース・ソーシャル」に「世界平和にとって偉大な日だ!イランは望んでいる。十分に痛い目を見た!ほかのすべての者たちも同じだ!」と投稿した。
イランが協議を引き延ばした場合、トランプ氏が本当に再び爆撃に乗り出すのかには疑問が残る。目まぐるしく考えを変えてきたトランプ氏だが、今回はそうならないだろう。
では、結果は何だったのか。
米国とイスラエルがピッケル山(Pickaxe Mountain)の地下施設を攻撃しなかったのは失策だが、イランの核計画をさらに弱体化させることには成功した。
また、イランの軍事・産業基盤にも甚大な被害を与えた。イラン海軍は壊滅し、防空網は消え、ドローンとミサイルの備蓄および生産能力もかなり弱体化した。ロシアと中国がイランを支援する可能性は高いが、再建には何年もかかるだろう。
しかし、ホルムズ海峡に対するイランの脅威の継続や、濃縮ウラン備蓄の処理問題は期待外れと言わざるを得ない。
トランプ氏は、イランが合意の一環として濃縮ウランを引き渡すだろうと述べ、ピート・ヘグセス国防長官は、イランが引き渡さなければ米国がそれを回収すると明らかにした。
それを回収するには地上部隊を投入しなければならず、死傷者も出るだろう。そこまでやる必要があるなら、停戦前のほうがより適切な時期だったはずだ。
イランがホルムズ海峡の通行料を課すのか。兆候は芳しくない。トランプ氏は、米国とイランが海峡の通航料を「合弁事業(joint venture)」の形で運営できるかもしれないと述べた。好ましい考えとは言えない。
戦争前、この海峡はイランがいつでも封鎖できたにもかかわらず、通航の自由が保障された国際水路だった。
航行の自由は数百年にわたる米国の基本原則だった。中国が台湾海峡やマラッカ海峡に野心を抱いているのなら、この原則が放棄されることを歓迎するだろう。
イランが海峡通行の拒否権を持つことになれば、それは米国の敗北として記録されることになる。
停戦報道を受けて原油価格は急落したが、イランによる海峡統制の可能性は原油価格に新たなリスクプレミアムをもたらすだろう。戦争前の原油価格は1バレル65ドル(約1万400円)水準だったが、新たな下限は少なくともしばらくの間、80ドル(約1万2,700円)になる可能性がある。
停戦交渉のためにイランが要求した10項目は、トランプ氏の要求とは大きく隔たっている。
イランはいつものように、今回も合意を望むと言いながら、実際には決して合意しないかもしれない。そうなれば協議は2週間、3週間、あるいは数か月と続くことになる。
イランは、米国の中間選挙が近づくにつれ、トランプ氏が爆撃を再開できないと確信するだろう。
トランプ氏がこの状況を自ら招いたというのが不都合な真実だ。
二転三転する戦争発言と「地獄」や「文明の終末」といった脅しの中で打ち出されたトランプ氏の勝利宣言は、世界に恐怖を広げ、国内外の支持を損なった。
















コメント1
磯爺
曽祖父がドイツから米国に移民し、不動産業で成功した。従ってトランプは相当裕福な家庭に育ち溺愛されたことだろう。しかも甘やかされ素行も悪く、親から軍隊学校へ入れられたが続かなかった。継いだ不動産業は6回破産させている。要は事業にも指導者にも不向きなのだ。