
KDDIは2026年度(2026年4月〜2027年3月)に中途採用を前年度比60%増の350人程度に拡大する計画だ。日立製作所も中途採用を前年度比30%増の1,100人程度に増やす方針だ。人工知能(AI)や情報技術(IT)インフラなどの分野で即戦力となる高度な専門人材の確保を狙う。
大卒者を採用して長期研修で育成する従来の採用方式が転換点を迎えている。今年の採用計画では、中途採用の割合が初めて半数を超えた。
日本経済新聞(以降は「日経」)が1,270社を対象に3月26日まで集計した2026年度採用計画調査によると、中途採用人数は2025年度比9.6%増の14万6,161人にのぼった。
高卒を含む新卒採用計画は5.4%増の14万4,614人にとどまった。計画段階の数値とはいえ、全採用人数に占める中途採用の割合は50.3%に達し、調査開始以来初めて過半数を占めた。
中途採用を重視する理由(複数回答)として「即戦力の確保」を挙げた企業は80%に達した。このほか「新卒だけでは必要人数の確保が難しい」(46.1%)、「既存事業の拡大」(42.1%)が続いた。
日経は、事業の高度化・専門化が進むなかで新卒採用によるゼネラリスト育成だけでは企業が求める人材を確保しきれなくなっており、終身雇用と年功序列を前提とした採用慣行に変化が生じていると分析している。
中途採用の増加に伴い、採用手法も多様化している。大卒者を対象に複数回の面接を経て最終合格者を選ぶ従来の方法に代わり、社員が知人や友人を推薦する社員紹介(リファラル)制度を導入した企業は62.4%に達した。退職者の再雇用制度を導入した企業も前年から5ポイント増の42%にのぼった。
今回の調査によると、大卒新規採用は前年比8.3%増の12万5,209人だった。増加率は前年から3.2ポイント鈍化し、5年ぶりに一桁台にとどまった。大卒新規採用を「減らす」と答えた企業の割合も前年比7.2ポイント増の28.8%にのぼった。
保守的な採用文化を維持してきた日本で中途採用が増えている背景には、AIの普及があるとみられている。新入社員が担ってきた単純業務をAIで十分代替できるという判断が背景にある。
各社は特定の技術や経験を持つ人材を外部から採用し、急速に変化する事業環境に対応する狙いとみられる。
労働者側の意識にも変化がみられる。終身雇用を前提としない職業観が広がり、転職を通じて自身のスキルを試し、年収アップを目指す人が増えている。総務省の調査によると、転職希望者は2025年第3四半期に1,045万人となり、コロナ禍以前の2019年第3四半期比20%増加した。
一方、人手不足が続いていることを背景に、今年の大卒新入社員の初任給を30万円以上に引き上げた企業は前年の約2倍に増加した。日経が2,200社を対象に実施した調査によると、今年の大卒新入社員の初任給を30万円以上に設定した企業は245社にのぼり、前年比90%増となった。
このうち、初任給を新たに30万円以上に引き上げた企業を業種別にみると、建設業が19社で最も多かった。大卒新入社員の初任給の平均も26万7,220円と過去最高を更新した。月給を前年より10%以上引き上げた企業は149社にのぼった。
今回の調査で初任給引き上げの理由(複数回答)として企業が最も多く挙げたのは「人材確保」(84.9%)で、「物価上昇への対応」も60%に達した。調査対象企業のなかで初任給が最も高かったのは、決済関連の業務用システムを提供するロボットペイメントの60万円だった。
















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