
イランは、米国による封鎖で石油生産が停止する事態を回避するためのカードを、より多く持っていると専門家らがみていると、米政治専門メディアのアクシオスが28日(現地時間)報じた。
米国のドナルド・トランプ大統領は、イラン経済の生命線である石油輸出を封鎖し、生産停止にまで追い込むことで圧力をかけ、イラン側の譲歩を引き出したい考えだ。
しかし、イランは石油の追加備蓄施設を確保しているうえ、タンカーを封鎖網の隙間を通り抜けさせることもできるため、米国の圧力に長く耐えられるとみられている。
ホルムズ海峡をめぐる行き詰まりがトランプ氏にとって政治的な痛手となっている状況で、イランの石油関連インフラの状態が、同国政権の戦略を左右する可能性もある。
気候・エネルギーデータの分析を手掛けるカイロス(Kayrros)のアントワーヌ・アルフ主任分析官は、「イランが直ちに原油生産の停止に追い込まれるリスクには直面していないかもしれない」と記した。
アルフ氏は、新型コロナウイルス危機の際にイランが在庫を積み上げた経験や、他の施設の余剰スペース、過去10年間にわたって代替の貯蔵・輸出施設を増やしてきた取り組みを根拠に挙げた。
ユーラシア・グループのグレゴリー・ブリュー上級分析官は、イランの原油貯蔵能力が2週間分にすぎないとする従来の評価に異議を唱えている。
ブリュー氏は、「これはイランが封鎖中、石油をまったく輸出できないことを前提とした評価だ」と述べたうえで、その前提が裏付けられていないと指摘した。
そのうえで、イランは「油田が圧力で破壊されることなく、生産を停止する能力を備えている」と語った。
ブリュー氏はまた、イラン革命防衛隊(IRGC)が陸路を経由した石油の密売や、小型タンカーを使った密輸といった別の手段も持っていると主張した。
「米国の封鎖が完全に成功したとしても、革命防衛隊は軍への給与の支払いやイラン国内での地位の維持のために、こうした代替手段に頼ることができる」と述べた。
商品市況の追跡・分析を手掛けるボルテクサ(Vortexa)のロヒート・ラトード上級分析官によると、20日時点で、イランは200万バレルを積載できる超大型原油タンカー(VLCC)を20隻確保していた。
ラトード氏は「これらの船舶は容易に海上の貯蔵施設として転用が可能で、イランは石油生産の縮小を迫られるまで、約2か月間は生産を続けられる」と語った。
同社はまた、20日時点で、イランは約3週間分の生産量に相当する陸上の予備貯蔵能力を保有しているとの推計も示した。
一方、米国のスコット・ベセント財務長官は、生産停止はすでに始まっていると主張している。トランプ氏も、イランの油井が爆発する寸前だと発言している。
民主主義防衛財団(FDD)のミアド・マレキ研究員は、イランの貯蔵戦略は「数週間ではなく、数日単位にとどまる時間稼ぎの戦術にすぎない」と指摘した。
ホルムズ海峡の通航が遮断されたことで、湾岸の複数の国々が原油の生産量を減らしている。
油井に長期的なダメージを与えずに生産を再開するのは容易ではない。
このため、海峡が再び開放されたとしても、石油の供給が戦争前の水準に戻るまでには、長い時間がかかるとみられている。
















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