
金正日はかつてストレス解消のためにピアノ演奏を好んで聴いており、その中でリョ・シムの存在を初めて知ったとされる。彼はリョ・シムに深く魅了され、自宅に頻繁に招いて演奏を鑑賞した。リョ・シムは、金正日の最後のロシア訪問にも同行するほど側近として寵愛を受けていたとされる。
その金正日の恋人だとされていたピアニストのリョ・シムが、金正恩の恋人になったとする主張が浮上し、波紋を広げている。北朝鮮内部事情に詳しい専門家らは、父子が同一の女性と関係を持つ可能性を指摘している。リョ・シムは「白雪姫」と呼ばれるほど、優れた容姿の持ち主とされている。
金正日はリョ・シムのため、清津(チョンジン)に住んでいた彼女の家族を平壌(ピョンヤン)の高級マンションへ移住させるなど、破格の待遇を与えた。さらにリョ・シムの親戚に至るまで、清津地域の最高級住宅に入居できるよう特別な配慮を行ったとされる。オリンピック金メダリストをもしのぐほどの待遇は、当時の北朝鮮上流層の間でも大きな話題となったとされる。
リョ・シムは、金正日が好んだとされる二つの条件を兼ね備えた女性と評価されている。金正恩の実母・高容姫と同じ在日韓国人出身である点と、元妻の金玉と同様にピアニストである点だ。出自と芸術的才能を兼ね備えていた点が、金正日の関心を引いた要因とみられる。
金正恩は幼少期から、父の邸宅でピアノを演奏するリョ・シムの姿を目にして育ったとされる。当時、李雪主が歌う際に伴奏を担当していたのがリョ・シムであったことが確認されている。父の側にいた女性が、やがて息子の視界にも入り込んだとされる。
世界北朝鮮研究センターの安燦一(アン・チャンイル)所長は、リョ・シムの母方の親戚と直接連絡を取り、両者の親密な関係を確認したと明らかにした。金正恩がリョ・シムを私的な場に招き、演奏を楽しむ中で恋人関係へと発展したとの証言である。父の死後も、二人の関係は続いていたとみられる。
金正日の死後も、リョ・シムと彼女の家族が享受する特権が維持されている点は、両者の関係を裏付ける材料とされる。通常であれば指導者死後に権力の中心から遠ざかると考えられるが、彼女の家族は依然として平壌の高級住宅に居住している。金正恩の庇護なしには考えにくいとの見方が有力だ。
最近公開された北朝鮮内部の行事写真には、リョ・シムとみられる人物が金正恩と同じテーブルに着席している様子が確認された。側近幹部が後方に控える中、李雪主や金与正といったロイヤルファミリーと肩を並べる位置に座っている。肉親のみが着席できる貴賓席にいた点が、彼女の地位の高さを象徴しているとみられる。
北朝鮮内部では、こうした関係について極めて厳重な情報統制が敷かれているとされる。しかし最高指導者の私生活に関する情報が外部に伝わることで、北朝鮮体制の道徳性に対する批判が強まっている。父が寵愛した女性と息子が関係を持つという構図は、現代においても極めて異例なものとして受け止められている。
















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