
トランプ米政権が、韓国を朝鮮半島防衛の枠を超えて中国との覇権争いに巻き込み、負担を増大させているとの専門家の分析が示された。また、韓国は中国から有形・無形の圧力を受けているとして、米国は韓国の負担軽減に向け、一定の戦略的自律性を保障すべきだとの指摘も出ている。
米シンクタンク「スティムソン・センター」のケリー・グリエコ上級研究員と、コリア・プログラムのジェームズ・キム局長は6日(現地時間)、外交専門誌『フォーリン・ポリシー(FP)』に共同寄稿した論考で、「米国の対韓国戦略は逆効果になっている」との見解を示した。
両氏は、「中国は3月27日から5月6日までの40日間、西海と東シナ海の係争海域上空への進入を制限した」としたうえで、「韓国国防省によると、2021年以降、韓国周辺の空域および海域で中国の軍事活動や進出が増加している」と分析した。
さらに、「こうした活動の増加傾向は、米韓同盟を巡る主要な意思決定とほぼ時期を同じくしている」と指摘した。その上で、「2022年のユン・ソンニョル(尹錫悦)政権発足以降、日本との関係正常化や北大西洋条約機構(NATO)との連携拡大、米国のインド太平洋戦略の受け入れなどが進むにつれ、中国は軍事活動などを通じて圧力の度合いを強め始めた」と述べた。
また、「戦略的柔軟性を受け入れたのは米国だけでなく韓国自身の選択でもあるが、その代償の大半は韓国が負っている」との認識も示した。
「韓国が台湾問題や在韓米軍の運用、韓国領内から出撃する対中作戦など、中国に関わる問題で米国と足並みをそろえるたびに、中国は直ちに軍事行動で反応している」とし、「こうした傾向は米韓同盟にとって決して好ましい兆候ではない」と指摘した。「韓国軍は年間500件近くに上る中国軍機・艦艇の空海域進入への対応に追われており、北朝鮮への対処に投入すべき資源が分散されている」と分析した。
両氏は、「米国が設計した役割分担の構図は、能力と意思を備え、他の危機に足を取られていない同盟国を前提としている」としたうえで、「中国からの継続的な圧力への対応に追われる韓国にとって、そのような理想的なパートナーの役割を果たすのは容易ではない」と述べた。
「問題解決の第一歩は、韓国の選択肢を狭めないことだ」と強調し、「米国が進めるべき真の負担分担とは、韓国が中国との関係を自ら管理できる裁量を与えることにある。韓国による危機管理上の行動を、米韓同盟からの離脱と受け止めるべきではない」と訴えた。
さらに、「米国が韓国に求めるべきなのは、『拒否的抑止』(ミサイル防衛など強固な防空網)と、『懲罰的抑止』(核報復戦略など)の両面における抑止力強化だ」と提言した。「北朝鮮がいかなる先制攻撃を行っても、韓国の反撃能力は維持されるというメッセージを示さなければならない」とし、「韓国は両分野への投資を進めているものの、ドローン戦力など依然として脆弱な部分も少なくない」と評価した。
続けて「軍事ホットラインを正常に機能させる問題を韓国だけに委ねるのではなく、米国が中国との軍事対話における主要議題として取り上げるべきだ」と提起した。また、「韓国と米国は、冷戦期の米ソ間における『海上事故防止協定』のように、空海域で中国との接触が発生した際の識別や通報、事態収拾に関する共通手続きを整備する必要がある」との考えを示した。
両氏は「米国は、韓国に北朝鮮問題への対応を主軸として担わせるのか、それとも中国との競争にさらに深く引き込むのか、選択を迫られている」としたうえで、「二兎を追う発想では、結局どちらも失うことになる。この現実を無視する時間が長引くほど、米国は自らの矛盾にさらに深く足を取られることになる」と懸念を示した。
















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