
ウクライナ軍のドローン(無人機)部隊20人余りが、約1万8,000人規模の北大西洋条約機構(NATO)の軍事演習に仮想敵部隊として参加し、損害を受けることなく相手側を圧倒していたことが明らかになった。
ウクライナメディアのキーウ・ポストは15日(現地時間)、この演習に参加したウクライナ軍のドローン操縦士らが圧倒的な優位を示し、NATO軍のドローン戦への対応力の弱点が改めて浮き彫りになったと報じた。
4月27日から5月13日まで実施された「オーロラ2026」は、バルト海の中央に位置するスウェーデンのゴットランド島が侵攻を受けたとの想定で行われたNATOの合同軍事演習だ。スウェーデン軍約1万6,000人が中心となり、米国、英国、デンマーク、フランスなどの同盟国から約1,300人が参加して防衛訓練を行った。NATO非加盟国のウクライナからは、2つのドローン運用チームに所属する20人余りが参加し、仮想敵部隊(レッドチーム)の役割を担った。
訓練の結果は衝撃的なものだった。ウクライナ軍のドローン部隊は、わずか20分で防御線を突破し、指定された目標をすべて破壊した。別の訓練では、敵側の主要装備28台を撃破しながら、自軍のドローンは1機も失わなかった。
ウクライナ軍のドローン操縦士タリクさん(24)は、演習現場を取材したAP通信のインタビューで、「(NATO側は)演習を3回中断した」と述べた。その理由について「改善策を協議するためだったが、実戦であればそのたびに全員が戦死していたはずだ」と語った。別の操縦士カラットさんは、「装備も戦術もすべて見直しが必要で、指揮官のドローン戦に対する理解も不足している」と指摘した。その上で、「西側軍はドローン戦とは何かを理解できていない。実際に目で見て理解する必要がある」と強調した。
一方、米軍のカーティス・キング准将は、「長距離ドローンの探知能力が必要だが、改善は進んでいるものの、まだ十分な水準には達していない」と説明した。
演習が行われたゴットランド島は、ロシアの物資輸送ルート上にあるバルト海の戦略的要衝だ。スウェーデン海軍のヨナス・ビクストルム少将は、ゴットランド島が侵攻を受けるシナリオについて「理論上は、明日にでも起こり得る事態だ」と指摘した。
またAP通信によると、NATO加盟国のうちロシアに近い国境地帯では、ここ数カ月でドローンの侵入事例が急増しているという。
キーウ・ポストは、今回の結果がNATO加盟を目指すウクライナの戦略的価値を裏付けるものだと分析した。
ウクライナ軍が欧州で実施される各種軍事演習で仮想敵部隊を担うのは今回が初めてではない。昨年5月にエストニアで行われた演習では、ウクライナ軍のドローンチーム約10人が半日でNATOの2個大隊を実質的に戦闘不能に追い込んだとされる。また昨年9月には、米国、英国、スペインなどが参加した多国籍の海上戦闘演習で、ウクライナ軍の無人高速艇が戦闘艦や護衛船団を繰り返し撃沈したと伝えられている。














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