台湾への武器売却見送りなら日本にも波紋…トランプ氏の“取引外交”に不安

ドナルド・トランプ米大統領が米中首脳会談直後、台湾への武器輸出について判断を保留する考えを示したことで、日本を含む米国の同盟国や東アジア地域に緊張が広がっている。
トランプ大統領は15日(現地時間)、「台湾への武器売却承認はまだ決定しておらず、交渉カードとして使うこともできる」とした上で、「この問題は中国次第だ。良い交渉材料になる」と述べ、中国の対応次第では台湾への武器売却を見送る可能性を示唆した。
これに先立ち、米議会は今年1月、迎撃ミサイルなどを含む140億ドル(約2兆1,957億6,000万円)規模の対台湾武器売却パッケージを事前承認していたが、トランプ大統領による最終承認はまだ下されていない。
さらにトランプ大統領は同日のインタビューで、「中国と台湾の状況が現状維持されることを望む」とした上で、「『米国が支持してくれるから独立しよう』という状況は望まない」とし、台湾が無条件に米国の支援を期待すべきではないとの考えを示した。
また、台湾への安全保障支援と半導体産業を結びつける趣旨の発言も行った。
トランプ大統領はFOXニュースに対し、「中国は強大な国であり、台湾は小さな島だ。米国から9,500マイル(約1万5,000km)も離れている」と述べた上で、「台湾の半導体メーカーがすべて米国に来てくれれば良い」と語った。これは事実上、武器支援問題をてこにして台湾側から見返りを引き出そうとするトランプ大統領の本音を示した発言だとの見方が出ている。
日本・韓国の不安を高めるトランプ大統領
一部では、40年以上続いてきた米国と台湾の外交原則を揺るがしかねない今回の発言が、実際の行動につながるかどうかが注目されている。

米スティムソン・センターのマイケル・カニンガム上級研究員は15日のオンラインセミナーで、「もしトランプ大統領が近く台湾への武器売却を承認すれば、台湾にとって大きな士気高揚になるだろう。しかし、売却が拒否されたり、規模や品目が変更された場合、台湾は大きな打撃を受ける」と述べた。さらに、「実際に売却内容が変更されれば、それは中国の習近平国家主席との間で実質的な交渉が行われたと受け取られる可能性がある」と分析した。
台湾と中国を巡るトランプ大統領の最近の動きが、日本にも影響を及ぼしかねないとの見方もある。
米メディアのアクシオスは、「トランプ大統領の発言は、台湾の親米政権だけでなく、同盟国である日本と韓国にも不安を与えた」と指摘した。
ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)で東アジア担当局長を務めたミラ・ラップフーパー氏は、「十分な見返りがあれば、どの同盟国の運命も取引対象になり得るというシグナルとして受け止められる可能性がある」と分析した。
米国が台湾への武器売却を中止すれば起きること
一方で、トランプ大統領が実際に台湾への武器売却を中止した場合、結果的に米国自身にとって不利益となる可能性も指摘されている。
ウォール・ストリート・ジャーナルは16日、トランプ大統領の台湾関連発言について、「もし台湾への武器支援を停止すれば、習主席は中国指導部が長年求めてきた『米国の対台湾武器売却に対する拒否権』を手にすることになる」と指摘。「これは、この地域の同盟国に対し、米国の弱さを示すシグナルになるだろう」と警告した。

実際、米国が台湾支援を突然縮小または停止した場合、日本だけでなく、韓国、フィリピン、オーストラリアなどの同盟国は、「米国は台湾を見捨てたように、他の同盟国に対しても同じ対応を取る可能性がある」と受け止めかねない。これは米国の抑止力低下を意味する。
さらに、米国が台湾支援を弱めれば、中国の影響力拡大につながり、日本、韓国、フィリピンなど周辺国への圧力増加にも直結する可能性がある。事実上、米国主導の覇権構造そのものが揺らぐとの見方も出ている。

何より、中国が外交的圧力だけで米国の対台湾武器売却を取り消し、あるいは縮小させた場合、ロシアやイラン、北朝鮮など、いわゆる米国の敵対国は、「力による現状変更」が現実化したと認識する可能性がある。また、「強く押し切れば米国は後退する」という認識を広げる恐れもある。
専門家らは、米国による台湾への武器売却は、単なる米中台の問題にとどまらず、米国中心の国際秩序全体に影響を及ぼしかねないと口をそろえている。














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