
26日(現地時間)、米政治専門メディアのポリティコは、ドナルド・トランプ米大統領がイスラム諸国に対し、イスラエルとの国交正常化を定めた「アブラハム合意」への参加を求めているものの、各国は冷ややかな反応を示していると報じた。
ポリティコは、トランプ氏がこの構想に固執した場合、米国とイランの和平合意そのものが危うくなる可能性があると指摘した。イスラム諸国の中には、イスラエルとの国交正常化で国内世論の反発を招くよりも、交渉仲介から手を引く動きが広がる可能性があるという。
一部の中東当局者は、トランプ氏の要求を深刻には受け止めず、イランへの過度な譲歩を懸念する共和党内の強硬派をなだめるための動きとみている。
あるアラブ諸国の外交官は、「怒った支持層をなだめるための巧妙な戦術だ。今後もこの問題を持ち出し続けるだろうが、合意の一部にはならないだろう」と述べた。
それでも、トランプ氏の主張は、すでに不安定な情勢にさらなる不確実性を加えている。
イランのミサイル基地や機雷の設置が疑われる船舶を標的とした米国の新たな軍事攻撃が相次ぎ、イスラエルによるレバノンへの攻勢も拡大する中、米国、イスラエル、イランの間で成立している不安定な停戦が崩壊し、地域がさらに大規模な戦闘に巻き込まれるとの懸念が高まっている。戦闘はすでに世界経済にも影響を及ぼし始めている。
元米政府関係者は、冗談交じりにアラブ側当局者にアブラハム合意への参加を祝うメッセージを送ったところ、スマイルの絵文字が返ってきたと語った。同関係者は、自身が知るアラブ当局者の間ではトランプ氏の要求が「毒杯」と受け止められていると述べた。また、別の関係者は、中東当局者の反応について「不信と失望が広がっている」と表現した。
トランプ氏は25日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、パキスタン、エジプト、トルコ、カタール、サウジアラビアなどの国々に対し、協定への署名を「義務として求める」と投稿した。
一方、トランプ氏が言及した国のうち、バーレーンやアラブ首長国連邦(UAE)はすでにアブラハム合意に参加している。また、エジプトやヨルダンはイスラエルと既に平和条約などを結んでいる。
他の国々にとっては、近い将来に協定へ参加することはリスクを伴う可能性がある。ガザ紛争の影響もあり、サウジアラビアは、イスラエル指導部がパレスチナ国家の樹立に同意しない限り、イスラエルとの関係正常化には応じない姿勢を示している。
米国とイランの交渉における主要な仲介国の一つであるパキスタンも、アブラハム合意に参加する可能性は低いとみられている。イスラム教徒が多数を占める多くの国々と同様に、パキスタン国内でもパレスチナへの同情的な世論が根強く、こうした世論を無視して政府が関係正常化に踏み切れば、政治的なリスクを招きかねない。
パキスタンのハワジャ・ムハンマド・アシフ国防相は、SamaTVのインタビューでトランプ氏の提案を拒否した。
一方、他の国の当局者は取材要請に応じていない。背景には、トランプ氏を公然と刺激してまで反発する必要はないとの判断があるとみられる。
















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