
ロシア軍の死者が50万人に迫るという、英国の情報当局の分析が出た。
BBCなどの現地メディアは27日(現地時間)、英国最大の情報機関である政府通信本部(GCHQ)のアン・キースト・バトラー長官が、就任後初めての公開の演説で、ロシア軍の死者の規模を公表したと報じた。
これに先立ち、2月にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、2022年2月24日の開戦以来、自国軍の死者は5万5,000人だと明らかにしたが、ロシア側は具体的な数値を公表してこなかった。
これに加え、BBCのロシア語サービスは、独立系メディアのメディアゾーナや、ボランティア団体とともに、公式の報告書やSNS、新たに設けられた墓地などを追跡し、これまでにロシア軍の死者22万3,539人の身元を確認したと明らかにしていた。
当時、軍事の専門家らは、突き合わせによる検証で分析した結果である「死者22万3,539人」が、実際の全体の死者の45〜65%程度だと推定しており、これは英国の情報当局が集計した「50万人に迫る」という数値と合致する。
死者・負傷者が急増した理由はFPVドローン
英誌エコノミストは19日、昨年までロシア軍の死者1人あたりの負傷者の数は2〜3人だったが、3月にゼレンスキー大統領が、ロシア軍の負傷者1人あたりの死者の数が、ほぼ2人の割合で発生していると主張したと伝えた。

専門家らは、負傷者に対する戦死者の比率の急増は、戦場での一人称視点(FPV)ドローンの活用が急増したことで、敵軍の追跡は容易になり、負傷者の後送はより困難になったためだと推定している。
エコノミストは米国のシンクタンク、戦争研究所(ISW)の報告書を引用し「今月12日までに、ロシア軍の戦死者は合わせて28万〜51万8,000人に達するとみられる」とし、「負傷者を含めると110万〜150万人で、ロシアの戦争前の戦闘が可能な年齢の男性の人口の約3%に相当する」と伝えた。
ロシアがハイブリッド作戦を大幅に拡大
キースト・バトラー長官は今回の演説で「ロシアが英国と欧州の双方を狙ったハイブリッド作戦を大幅に拡大している」とし、「こうした活動には、重要インフラへの攻撃や、サイバー作戦、物流ネットワークと水中の通信システムへの攻撃などが含まれている」と指摘した。
前日には、ウォール・ストリート・ジャーナルも「ロシアがウクライナ前線の膠着状態を打破するため、戦争の範囲を北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に拡大する可能性があるとの懸念が、欧州の全域で高まっている」と伝えた。

ロシアは最近、バルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)や北欧諸国に対する脅威の度合いを高めている。
ラトビアに対しては、ウクライナのドローンの運用を支援していると主張し「意思決定センター」を爆撃する可能性があると脅した。リトアニアでは、ベラルーシから発射されたとみられるロシアのドローンによって空襲警報が発令され、大統領と首相までもが避難する騒ぎが起きた。
ロシアの脅威が続くなか、欧州の安全保障の当局者らは、ロシアがバルト海の沿岸国のいずれか、またはバルト海に位置するスウェーデンやデンマークの島々、あるいは北極圏にあるNATO加盟国の領土を試験的に攻撃し、西側の結束力を試そうとする可能性があるとみている。
人員の不足が問題…プーチン大統領の欧州攻撃が難しい理由
ただ、ロシアが実際に欧州への攻撃を準備している軍事的な兆候は捉えられていない。英国の情報当局による今回の発表の通り、死者は急増しており、新兵の募集の速度がこれに追いついていないためだ。
エコノミストの報道の通り、ウクライナのFPVドローンによる攻撃がかなりの水準に達し、ロシアの兵力の損害が雪だるま式に増加している。
これについて、ロンドン大学キングス・カレッジのローレンス・フリードマン名誉教授はエコノミストに「今後数カ月間、ロシアがウクライナのドローンの進撃を食い止められるかが鍵だ」とし、「ロシアが夏の大攻勢のために兵力を温存しているのではないか、という点も注視する必要がある」と指摘した。
そのうえで「ただ、現実は、ロシアが前線で苦戦しており、物事がうまく進んでいないということだ」と評価した。














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