
中国は、重要鉱物の輸出だけでなく、生産や備蓄、緊急時の動員までを国家が管理する体制を本格的に始動した。中国自然資源部は15日(現地時間)、「鉱物資源法実施条例」が同日、施行されたと発表した。昨年7月に施行された改正鉱物資源法に続き、今回、実施条例が施行されたことで、中国の新たな鉱物管理体制は、法律と条例から成る「一法一条例」の形で整備された。
今回の条例は、米中間の競争が長期化する中、中国の重要鉱物政策の重点が、輸出規制から国内の生産・備蓄体制の強化へ移りつつあることを示している。昨年施行された改正鉱物資源法が「戦略鉱物備蓄制度の構築」という原則を示したのに対し、今回の条例は、これを製品備蓄、生産能力備蓄、産地備蓄から成る「三重備蓄」体制として具体化した。製品備蓄は、実際の鉱物資源を事前に確保する仕組みだ。生産能力備蓄は、緊急時に生産量を増やせるよう、設備や企業の生産能力を維持することを指す。産地備蓄は、主要な鉱山や鉱床を採掘せずに保存する、いわゆる「地下備蓄」だ。条例では、国家が指定・管理する鉱山について、5年以上にわたり採掘やその他の開発事業を行えないよう定めた。
鉱物の供給危機が発生した場合には、政府が採掘、加工、輸送、供給を直接統括し、備蓄施設や輸送手段を徴用できる。企業が負う鉱物備蓄の責任についても明文化された。従来の国家中心の備蓄体制に、企業を新たな担い手として組み込んだことになる。中国がレアアース分野で構築してきた管理方式を、鉱物資源全般に拡大するための制度的な枠組みが整ったとの見方が出ている。
自然保護区内で戦略鉱物の開発を認める内容も盛り込まれた。条例では、管理基準を満たす場合、自然保護区内でも基礎地質調査や戦略鉱物の有望性調査、定められた範囲内での探査・採掘を行えるようにした。鉱物資源の安定供給が脅かされる場合には、環境規制の対象地域でも開発を認める例外規定を設けたことになる。また、取得した鉱業権については、保有期間が5年未満の場合、譲渡を禁止する。探鉱権を延長する際には対象面積を縮小するよう定め、鉱業権を確保しながら実際には探査を行わない慣行の是正も図った。
中国は2023年以降、ガリウム、ゲルマニウム、黒鉛、アンチモン、タングステン、レアアースに関する輸出規制を相次いで導入し、国外への輸出管理を強化してきた。今回の条例によって、中国政府が国内の鉱山や関連企業、物流網を直接管理する法的根拠も整備された。これにより、中国産の重要鉱物に依存してきた海外の企業や国の間では、原材料を安定的に確保できるかを巡る不確実性が高まっているとの指摘が出ている。ただし、今回の条例は、レアアースやタングステンなど、個別の鉱物を直接列挙していない。「戦略鉱物資源のリストは、自然資源部が関係部門と協議して作成し、国務院の承認を得た上で施行する」としている。














コメント0