米・イランMOU、凍結資産は「合意履行後に解除」か 一部前払いの有無に注目

ドナルド・トランプ米政権とイラン政権が終戦協議開始に向けた了解覚書(MOU)を締結し、署名式を控えるなか、最大の争点であるイランの凍結資産解除問題は、「合意履行時」を条件とする形で盛り込まれた可能性が高いとみられている。イランが求めてきた一部資金の先行解除が実現するかどうかにも注目が集まっている。
サウジアラビア系メディアのアルアラビーヤが16日(現地時間)に報じたMOUの14項目の文案によると、イランの凍結資産解除を扱う第11項は、「米国は、最終合意に向けた協議の進展に応じて、凍結または使用制限下にあるイラン資産を解除し、完全な使用を可能にする」と規定している。
一方、イランによるホルムズ海峡の開放や、米国による海上封鎖の解除、米国の対イラン石油輸出制裁の解除などは、MOU署名と同時に発効するものの、凍結資産解除を含む経済制裁の緩和や、3,000億ドル(約48兆1,900億円)規模の「復興開発基金」の拠出については、核問題の進展と連動させる内容になっている。
アルアラビーヤが報じた14項目の真偽は現時点で確認されていない。ただ、MOU署名後のホルムズ海峡の航行再開状況や、トランプ政権による説明内容などを総合すると、大筋では実態とかけ離れていないとの見方も出ている。
トランプ政権は特に、凍結資産の先行解除は行わないとの立場を強調している。トランプ大統領は、バラク・オバマ政権が包括的共同行動計画(JCPOA)締結直後にイランへ現金を供与したことを強く批判し、後にJCPOAから離脱した経緯がある。
米政府当局者はアクシオスに対し、「今回の合意は『成果に応じた報酬(pay for performance)』の仕組みだ」と説明した。
そのうえで、「イランは、核兵器を開発せず、濃縮物質を無力化し、ホルムズ海峡の自由航行を妨げないなど、すべての合意事項を履行して初めて利益を得られる」と述べた。
米国はまた、一部の凍結資産がMOU署名と同時に解除されるとのイラン側の主張についても全面的に否定している。
イランは、署名と同時に120億ドル(約1兆9,300億円)、さらに60日以内に120億ドルを追加解除すべきだとの立場を維持しているが、米高官は「カタールにあるイラン資産が直ちに支払われるとの報道は、まったく根拠のない主張だ」と一蹴した。
ただし、トランプ政権は、米国による直接的な現金支援という印象を避けつつ、イランによる資産返還要求に一定程度応えるための迂回策を模索してきたとも伝えられている。
イランが、凍結資産の一部解除を核協議開始に向けた不可欠な信頼醸成措置として求めてきた経緯を踏まえると、米国が一部資金を非公式に解除する可能性も引き続き指摘されている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、「米国は、イラン中央銀行が指定された用途に限って一部資産へアクセスできるよう認める用意がある」と、複数の当局者の話として報じた。
さらに、「最終的な核合意に至る前に、一部資産が解除される可能性もある」と伝えている。
アクシオスも、「米政府は、一部の経済的利益が協議初期の段階で提供され得ること自体は認めている」と指摘した。
もっとも、それが凍結資産の解除を意味するのか、それとも石油輸出制裁の適用除外など、実際に盛り込まれた別の措置を指すのかについては、依然として不透明なままだ。














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