「グロッシIAEA事務局長に書簡」…ホルムズ海峡の封鎖も事実上解除

米国とイランの停戦合意が発効し、イランは国際原子力機関(IAEA)による自国核施設への査察受け入れを表明した。これを受け、米国は湾岸地域における海上封鎖を解除し、原油輸送船がホルムズ海峡の通航を再開した。停戦後の協議は本格的な検証段階へと移行した形だ。
AP通信によると、スティーブ・ウィトコフ米対イラン特使は18日(現地時間)、米議会指導部および国家安全保障関連委員会の議員を対象とした非公開ブリーフィングで、「イランがIAEAを自国の核施設に招き入れる方針だ」と明らかにした。
ブリーフィングの内容について説明を受けた複数の関係者によると、イランはIAEAとの間で別途書簡を取り交わしており、この書簡はラファエル・グロッシーIAEA事務局長に送付される予定だという。国際査察団はイラン国内の核施設に立ち入り、高濃縮ウランの所在を確認するとともに、隠蔽の有無に関する調査に着手する見通しだ。
ウィトコフ特使は、米国とイランが締結した停戦合意に非公開の付属文書は存在しないと強調する一方、イランとIAEAの査察協力に関する別途文書は存在すると説明した。これは戦闘期間中に事実上停止していた国際的な核査察体制が復活する可能性を示すものと受け止められている。IAEAはこれまで、イラン国内に保管されている高濃縮ウランの正確な在庫量や保管場所を把握できていないとしてきた。
同日、イラン最高指導者モジュタバ・ハメネイ師も国営メディアを通じて発表した声明で、米国との直接交渉を支持する考えを示した。同師は、今後予定される「対面協議は相手国の主張を受け入れることを意味するものではない」としながらも、交渉そのものには反対しない姿勢を明らかにした。
米国も緊張緩和措置に乗り出した。米軍は同日、イランに対して実施していた海上封鎖を解除し、ホルムズ海峡を通じた原油輸送が再開された。米中央軍は、米海軍艦艇を合意履行状況の監視のため周辺海域に引き続き配備すると説明した。
海運業界によると、イラン産原油約380万バレルを積載したタンカー2隻が妨害を受けることなくホルムズ海峡を通過した。海運情報会社ロイズリストは、主要船会社の船舶が約110日ぶりに同海峡の利用を再開したと伝えた。
ただ、最終的な核合意の実現までには、依然として乗り越えるべき課題が山積している。米国とイランの合意文書では、今後60日間にわたり、核開発計画の将来や高濃縮ウランの処理方針、検証体制の構築などについて協議を行うことが定められている。イランは核兵器を開発しない方針を改めて確認したものの、具体的な廃棄手続きや検証方法については依然として決着していない。
今回のIAEA査察受け入れは、核問題解決の終着点ではなく、本格的な検証交渉の出発点にすぎない。とりわけ査察団が実際に核施設へ立ち入り、ウラン在庫を確認できるかどうかが、今後60日間の交渉の最大の焦点になるとみられている。

















コメント0