
1950年代に米国で共産主義者への追及が強まった「赤狩り(Red Scare)」から約70年、旧ソ連崩壊から約35年が経過した今、ドナルド・トランプ米大統領と共和党が、中間選挙を前に共産主義への警戒感を再びあおろうとしていると、米ニュースサイトのアクシオスが6月30日(現地時間)に報じた。
民主社会主義を掲げる候補の相次ぐ勝利を受け、共和党は冷戦時代に支持を集めた「反共」を再び前面に打ち出す戦略に乗り出している。この戦略がどこまで有権者に響くかはなお不透明だ。しかし、トランプ氏や共和党の選挙戦略家は、冷戦時代の核攻撃を想定した避難訓練やスパイドラマを記憶している高齢層の有権者の支持獲得につながると期待している。
トランプ氏は先月28日、共産主義について、「第一次世界大戦、第二次世界大戦、真珠湾攻撃、そして同時多発テロ以降、わが国が直面する最大の脅威だ」と述べた。こうした動きは、これまで一部にとどまっていた「マッカーシズム(1950年代に米国で広がった反共運動)」的な主張が、右派の間で再び勢いを増していることを示している。
米カリフォルニア大学デービス校の歴史学教授、キャスリン・オルムステッドは、「保守派が自由主義者や進歩主義者、民主社会主義者を共産主義者として攻撃し、実際以上に過激な存在であるかのような印象を与えるのは、一般的な選挙戦略だ」と指摘した。
一方、ホワイトハウスのオリビア・ウェールズ報道官は、「民主党が社会主義や共産主義を受け入れる姿勢は、米国に対する実存的な脅威だ。トランプ大統領は今後も彼らの急進的な思想を厳しく批判し続ける」と強調した。トランプ氏のメンターとして知られるロイ・コーン氏は、悪名高いマッカーシズムの時代に、ジョセフ・マッカーシー上院議員の首席顧問を務めた人物だ。
歴史家のベバリー・ゲージ氏は、「トランプ氏が成長し、政治思想を形成したのは冷戦時代だった」と指摘した。その上で、「しかし、冷戦終結から30年以上が経過した今でも、米国が依然としてそうした政治的言説に左右されるのかは疑問だ」と述べた。
民主社会主義は共産主義とは異なる。ニューヨーク市長のゾーラン・マムダニ氏と、ワシントンD.C.市長選に立候補しているジャニス・ルイス・ジョージ氏(民主党)は、いずれも政府による公共サービスや社会保障の拡充を訴えている。
米政治団体「民主社会主義者(DSA)」の報道官は、「住宅費の高騰やホームレス問題、高額な医療費、慢性的な予算不足に苦しむ学校など、多くの米国人がさまざまな課題に直面している中で、私たちを『過激派』と決めつけようとする主張には説得力がない」と述強調した。
米ジョージ・ワシントン大学の民主主義・政治研究所共同所長イーサン・ポーターデータ氏は、「赤狩り」を想起させるような反共メッセージは、ソ連との冷戦を経験していない若い世代には響きにくいとの見方を示した。
それでも共和党は、トランプ氏が掲げる中間選挙戦略に沿って、反共産主義を前面に押し出す姿勢を強めている。
マイク・ジョンソン下院議長は先週、「共産主義は米国内にも存在する」との認識を示した。昨年10月に実施されたアクシオスとジェネレーション・ラボの共同世論調査によると、米国の大学生は資本主義よりも社会主義に対して好意的な見方を示す傾向が明らかになった。
一方、ギャラップの世論調査では、昨年の米国人の資本主義に対する評価は過去最低を記録したものの、依然として社会主義に対する評価を上回っていた。
また、昨年実施された米ケイトー研究所とYouGovの共同世論調査によると、米国人の大半は共産主義に否定的な見方を維持している一方、30歳未満では傾向が異なり、約3分の1が共産主義に肯定的な見方を示した。













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