
最近、自衛隊による大学内での広報活動を巡る議論が続いている。6月に開催された名古屋大学の学園祭で自衛隊の出展が取り消されたことを契機に、大学内で自衛隊をどこまで受け入れるかを巡る攻防が再燃した。
2日の毎日新聞によると、名古屋大学の学生で構成された名大祭実行委員会は6月に開催された学園祭「名大祭」で、自衛隊の災害派遣活動を紹介するパネルや高機動車などを展示する広報ブースを初めて設置する計画だったという。しかし、イベントの2日前に名大職員組合が「自衛隊の一方的な広報活動」として中止を求める声明を発表し、大学側は「安全なイベント進行を保証できない」としてブース取消を要請した。名大祭実行委員会は結局これを受け入れた。
これに対し防衛省はSNSの「X(旧Twitter)」に「極めて遺憾だ」という立場を示し、小泉進次郎防衛相もこれを引用し「学園祭で自衛隊による災害派遣の活動紹介すら認めない」と批判した。これに文部科学相も名古屋大学に「必要な助言」をすると加勢した。結局、名古屋大学の学長は防衛省自衛隊愛知地方協力本部を直接訪れて謝罪した。
組合側は、大学が戦時の軍事研究と国家統制に動員された歴史を引き合いに出し、軍関連の広報が学内に入ること自体を警戒すべきだと主張した。名古屋大学は1987年、軍事関連機関との共同研究と資金支援を拒否する内容を含む「平和憲章」を制定した大学でもある。一方、自衛隊は広報の目的が募集ではなく災害対応と救助活動に対する理解を深めることだと説明する。その背景には深刻な人手不足もある。自衛隊の定員に対する充足率は、今年3月時点で88.1%で5年連続で低下した。
似たような対立は他の大学でもあった。2023年、徳島大学は大学祭で航空自衛隊音楽隊のコンサートは許可したが車両の展示と迷彩服の体験は中止した。6日後に開催された山口大学の学園祭では山口大学大学祭実行委員会が「小型ジープだけだと思っていましたか?今回は様々な車両を用意しました」と広報したが、中機関銃を装備した82式指揮通信車の展示は組合の反発で撤回された。代わりに偵察用のオートバイとジープ型車両のみ展示し、子ども用のミニ制服着用体験のみ実施することで妥協した。
名古屋大学職員組合の関係者は毎日新聞に「自衛隊のブースが直ちに大学の自治を侵害するわけではない。しかし少しずつ慣れてしまえば、国家権力が大学内に入り込むことになりかねないと懸念している」と述べた。













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