
米ドルの価値が6月30日(現地時間)、13カ月ぶりの最高水準に達した。日本円の価値が急落するなか、ドルは連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの見通しの下で上昇を続けている。
ヤフー・ファイナンスによると、主要通貨に対するドルの価値を示すドル指数は、米東部時間の午後1時ごろ、前日比0.1%上昇の101.24で取引されたという。24日に記録した13カ月ぶりの最高値101.80に迫った。
ドル指数は今年に入って3.1%上昇した。上昇分の約3分の2は、先月の円安と、米国の利上げの見通しの強化によるものだった。これに、AIブームのなかで米国のテクノロジー株が強いことも、一因として挙げられた。
日銀の利上げにもかかわらず円安
ドル高の第一の背景は円安だ。円はこの日の午前、対ドルで161.95円を超え、1986年以来、40年ぶりの安値に急落した。
円は、日本銀行が6月初めに政策金利を0.75%から1%に引き上げたにもかかわらず、安値を免れなかった。引き上げられた金利は、他の先進国の金利に比べて依然として大幅に低いためだ。このため、投資家は、利上げにもかかわらず円キャリートレードを清算するのではなく、円を売ってドルなどに乗り換えた。円キャリートレードとは、金利の低い円で借りて、金利の高いドルなどに投資することを指す。
米国、利上げを予告
ドル高の第二の要因は、米国の利上げの見通しだ。円キャリートレードの清算が行われていないなか、ドルはさらに上昇する余地が高まった。ケビン・ウォーシュ議長の体制のFRBが、利上げの準備を進めているためだ。
FRBは16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、政策金利を3.50〜3.75%に据え置いたが、今年後半の利上げの可能性を示唆した。市場では、FRBが年末に0.25%の利上げを行うことがほぼ確実視されている。また、来年3月に2回目の利上げに踏み切る確率も60%を超えると判断されている。インフレ圧力が深刻化しているためだ。
FRBがインフレの指標として重視する米国のPCEコア物価指数は、5月に前年同月比3.4%上昇し、2023年10月以来の高い水準を記録した。FRBの利上げは、ドルの需要を刺激する。ドル建ての資産を保有すれば、より高い金利を得られるためだ。
第三の支え、AI
ゴールドマン・サックスの外国為替戦略担当者、レクシー・カンター氏は、米ドル高を支える第三の要因があるとし、AIブームがドルの価値を引き上げる、もう一つの原動力だと指摘した。AIブームのなかで米国のテクノロジー株の株価が上昇し、外国人投資家が米国株の購入に乗り出しており、このためドルの需要が高まっているという。
カンター氏は「むしろ、こうした好材料を考慮すると、ドルの価値の上昇は一部、不十分な面がある」と評価した。ドルの価値は、こうした流れのなかで、ユーロや英ポンド、スイスフランなど主要通貨に対して6カ月連続で上昇している。
カンター氏は「FRBが利上げの可能性を示唆すれば、特に、強力なAI関連の支出に照らしてそうすべきだという点を指摘すれば、ドルの上昇に弾みがつく可能性がある」と予想した。ただ、カンター氏は、市場の利上げの見通しが誇張されている可能性がある上、現在、FRBの独立性に対する信頼が弱まっており、米国の経済成長が今年後半に鈍化する可能性があるという点は、ドルにとってリスク要因となる可能性があると付け加えた。














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