
米国は1日(現地時間)、カナダ、メキシコとの自由貿易協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」について、6年ごとの共同見直しに伴う協定延長に同意せず、今後は毎年見直しを行う方針を発表した。
ロイター通信やAFP通信によると、ジェイミソン・グリア米通商代表部(USTR)代表は1日、声明で「米国は現行USMCAの延長に同意しない。その結果、延長は見送られた」と述べた。
そのうえで、「米国は協定の欠陥やカナダ、メキシコとの貿易赤字の問題を解決するため、両国との協議を継続する」と付け加えた。共同見直しの期限は1日までだった。
USMCAは、ドナルド・トランプ第1次政権時の2018年に、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる協定として締結され、2020年7月に発効した。有効期間は16年間で、6年ごとに3か国による共同見直しを実施し、延長の可否を判断する仕組みとなっている。
今回の6年ごとの共同見直しでは、3か国すべてが合意すれば、その時点から有効期間が新たに16年間延長される。一方、合意に至らなかった場合、いずれかの締約国が協定から脱退しない限り、毎年見直しが行われる。
今回、米国が延長に同意しなかったことで、協定は今後10年間有効となり、その間は毎年3か国による見直しが行われる。
カナダとメキシコはUSMCAの16年間延長に前向きな姿勢を示していたが、米国が延長に反対することは事前に予想されていた。ドナルド・トランプ米大統領は6月、「USMCAを延長する考えはない」と述べていた。
米国がUSMCAの延長に反対した最大の理由は貿易赤字にある。昨年時点で、米国の対カナダ貿易赤字は464億ドル(約7兆4,700億円)、対メキシコ貿易赤字は約1,970億ドル(約31兆7,100億円)だった。特に対メキシコの貿易赤字は前年より約15%増加し、過去最大を記録した。
米政府高官は、貿易収支の不均衡と市場アクセスの問題が米国にとって最大の懸念事項だと説明した。
AFP通信は今回の措置について、北米のサプライチェーンが自動車産業などで高度に統合されていることを踏まえると、企業活動の先行きに対する不透明感を高める可能性があると伝えた。
KPMGのチーフエコノミスト、ベンジャミン・シュースミス氏は、「今回の決定は米国だけでなく、とりわけメキシコへの投資意欲に大きな影響を与えるだろう」と述べた。
一方で、専門家の間では、米国が延長に反対したとしても、USMCAが10年後に終了する可能性は低いとの見方が出ている。
米自動車政策評議会(AAPC)のマット・ブラント会長は、「北米経済の統合は、この地域に極めて大きな競争力をもたらしている」と述べた。2024年時点で、北米地域の商品・サービス貿易額は約2兆ドル(約321兆9,700億円)に達した。
シュースミス氏は、エネルギー分野と並び、自動車産業が今後の交渉における主要議題になるとの見方を示した。
米政府当局者も、協定の有効期間終了までにはなお10年が残されているものの、最終合意まで10年間待つ必要はないとし、「可能であれば、できるだけ早期に結論に達すべきだ」と述べた。
メキシコのマルセロ・エブラルド経済相は、米国がUSMCAに関連して問題視している未解決の懸案について、前年の54件から14件に減少したと説明し、「解決できない意見の相違はない」と述べた。
米国とメキシコはこれまでに2回の協議を実施しており、3回目の協議は7月20日を含む週に開催される見通しだ。カナダとの協議日程は現時点で公表されていない。













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