カタール提供の新大統領専用機に安全性懸念「ミサイル防衛機能など不十分」

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席したドナルド・トランプ米大統領が帰国時の一部区間で新しい大統領専用機ではなく旧型の専用機を利用していたことが明らかになり、新機体の安全性能を巡る議論が広がっている。
米紙ニューヨーク・タイムズは9日(現地時間)、航空機改修の進捗について説明を受けた複数の当局者の話として、トランプ大統領がトルコ・アンカラへ向かう際に使用した新たな大統領専用機(エアフォースワン)には、従来機に搭載されていた高度なミサイル防衛能力などの防御システムが十分に備わっていないと報じた。
新しいエアフォースワンはカタール政府が米政府に寄贈したボーイング747-8を改造した機体だ。
今回のNATO首脳会議への出席に合わせてワシントンからアンカラまで飛行したのが初の海外任務だったが、トランプ大統領は8日夜にトルコを出発する際にこの機体は使用しなかった。
これについてホワイトハウスは、大統領警護隊が極めて慎重な判断を示したためだと説明した。
特に米国とイランの軍事的緊張が再び高まる中での対応だったことから、暗殺の脅威を警戒した措置だったとの見方も出ている。
米政治専門メディアのザ・ヒルは航空・軍事専門家の話として、大統領専用機には赤外線誘導ミサイルを妨害するフレア装置やレーダー誘導ミサイルを妨害するチャフ装置、暗号化通信システムなどが必要だと伝えた。
フランク・ケンドール元米空軍長官はニューヨーク・タイムズに対し、カタールが寄贈した機体を通常のエアフォースワン仕様へ完全に改修するには時間的に無理があり、安全保障や通信、支援機能の一部が未整備の可能性があると指摘した。
さらに「イラン情勢を考えれば懸念すべき点だ」とした上で「この機体が米国外で使用されていることに驚いている」と語った。
一方、ホワイトハウスのスティーブン・チャン広報部長は「新しいエアフォースワンは大統領と側近の安全を確保するため最高水準のセキュリティープロトコルを備えた最先端の航空機だ」と強調した。
米空軍やホワイトハウスによると、カタールが提供した航空機を改造した新専用機VC-25Bブリッジは過渡的なモデルに位置付けられているという。
同機は1990年から運用されている現行の大統領専用機と、2028年頃に引き渡し予定の次世代専用機との間をつなぐ役割を担う。
トランプ大統領は退任後、この機体のエアフォースワン指定を解除して退役させ、フロリダ州マイアミに建設予定の自身の大統領図書館へ移設する考えも示している。













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