日本、再利用型ロケットの発射試験へ…スペースXに対抗し2030年代実用化目指す

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が再利用型ロケット技術の確保に乗り出し、スペースXに対抗する姿勢を鮮明にしている。
10日の日本経済新聞(日経)によると、JAXAは11日に再利用型ロケット実験機の発射試験を実施するという。次世代ロケットであるH3の後継機に適用する技術を確立し、2030年代前半の実用化を目指す。ロケット発射費用の大幅な削減につなげる考えだ。
再利用型ロケットは発射後にロケットの一部を回収して再び使用する方式だ。米宇宙企業スペースXは2017年から商業運用を開始しており、主力ロケットのファルコン9では同じ第1段ロケットを最大35回再利用することに成功している。再使用ロケットは機体の製造期間短縮や新規資材の使用削減が可能となり、打ち上げコストを大きく抑えられるのが特徴だ。
日経は「JAXAは再利用型ロケット技術の確立に向け、2016年から実験機RV-Xの開発を進めてきた」と報じた。2025年までに複数回のエンジン燃焼試験を実施しており、今回が初の発射試験となる。当初は今年3月の実施を予定していたが悪天候や機器の不具合などで延期されていた。
今回の発射試験は秋田県能代市のJAXA能代ロケット実験場で行われる。第1段ロケットを模したRV-Xを約10メートルまで垂直に打ち上げた後、目標地点まで約15メートル水平移動させて着陸させる計画で機体の誘導・着陸制御技術を検証する。
また、着陸位置や速度を高精度で制御する技術も試験する。回収した機体やエンジンは発射時に高温にさらされるため、再利用に適した金属材料や再使用に必要な整備・補修の内容についても段階的に検証する予定だ。
日本政府は宇宙開発の基本方針である宇宙基本計画で2040年代初頭までにロケット発射費用を大幅に引き下げる目標を掲げている。現在運用中のH3ロケットと比べ、衛星1キログラム当たりの打ち上げコストを10分の1に抑えることを目指しており、その実現には再利用型ロケットの実用化が重要な鍵を握る。海外の衛星発射受注競争で競争力を高めるためにも、再利用型ロケット技術の確立が急務とされている。
世界のロケット市場ではスペースXが再利用型ロケット分野をリードしている。宇宙企業ブルーオリジンも今年4月に大型ロケット・ニューグレンで使用済みロケットの一部を再利用することに初めて成功した。中国でも複数の宇宙スタートアップが再利用型ロケットの開発に参入している。















コメント0