
欧州連合(EU)が今後、人口減少と超高齢化という二つの大きな転換点を同時に迎えるとの見通しが示された。人口は減少する一方で平均寿命は引き続き延びるため、労働力不足や年金・医療費の負担が一段と深刻化するとの分析だ。
欧州委員会の共同研究センター(JRC)は14日(現地時間)に公表した報告書「EU人口構造の変化:挑戦と機会」で、EUの人口は現在の約4億5,060万人でピークに達したとの見方を示した。今後は緩やかな減少局面に入り、2050年には約4億4,500万人、2100年には約3億9,880万人まで減少すると予測している。現在より約12%少なく、1970年代とほぼ同水準の人口規模になる見通しだ。
一方、人々は今後さらに長生きするようになる。2025年のEUの平均寿命は81.5歳と過去最高を更新し、2100年には女性が90歳、男性が86歳を超えると予測されている。
課題は、子どもを産む世代が減少する一方、高齢者が増加することだ。現在、EUでは人口の5人に1人が65歳以上だが、2050年には3人に1人が65歳以上になると予測されている。働く世代は減少し、扶養すべき高齢者は増える構図となる。
こうした人口構造の変化は、経済にも大きな影響を及ぼす。企業は人材の確保が一段と難しくなり、各国政府は年金や医療、介護に充てる財政負担の増加を迫られる。実際、長期介護を必要とする人口は、現在の約3,600万人から2070年には約4,800万人へ増加すると予測されている。
EUはこうした課題への対応策として、女性や若者の労働市場への参加を促すとともに、高齢者が希望すればより長く働けるよう支援する政策を進めている。また、AI(人工知能)の活用による生産性の向上に加え、不足する労働力を補うため、高度人材の受け入れ拡大も進める方針だ。
一方で、報告書は人口減少と高齢化は負担ばかりではないとの見方も示した。健康なまま長寿を迎える人が増えることで医療やヘルスケア、金融、介護サービスなど、高齢者向け市場の成長が期待できるとしている。
共同研究センターは、「人口構造の変化は避けられない流れだ。各国が労働市場や社会保障制度の整備を進めれば、この危機を新たな成長の機会に変えることができる」と強調した。















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