米政府からの圧力も重なりICCに動揺広がる
本人は疑惑を否定

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を戦争犯罪などの容疑で起訴し、逮捕状を取得した国際刑事裁判所(ICC)のカリム・カーン主任検察官の解任により、ICCが内部から揺らいでいるとの指摘が出ている。国際犯罪に対して断罪の刃を振るってきたICCの機能が当面無力化されるとの見方とともに、米国など外部からの圧力も重なり、内憂外患の状況に陥っているという。
ICCは24日、米ニューヨークの国際連合本部でICC当事国総会を開き、加盟国(125カ国)のうち82カ国の賛成でカーン氏解任案を可決したと発表した。ICCはこの日、「カーン氏が重大な不正を犯し、職務上の義務に違反した」と述べた。カーン氏側は「カーン氏に十分な反論の機会が与えられないなど、調査過程に『深刻な手続き上の欠陥』があった」とし、「可能なすべての法的手続きを通じて適法性と公正性に異議を唱える」と主張した。カーン氏は、国際労働機関行政裁判所(ILOAT)への不服申し立てを行うかどうか検討していると伝えられている。
カーン氏に対する性的非行疑惑は2024年初めに初めて浮上し、その後約20か月にわたり調査が行われた。カーン氏の特別調査官を務めていたマレーシア出身の女性弁護士「サラ(仮名)」は、同僚に対し、カーン氏から性的な圧力を受けていると訴えた。同僚らは内部監査部門に報告するなど対応に乗り出したが、サラ氏が正式な告訴を行わなかったため、当初は正式な調査は開始されなかったという。その年の秋にメディアで疑惑が報じられると、ICCは国際機関である国連に独立した調査を依頼した。昨年12月、国連の調査官は「カーン氏がサラ氏に対して『同意のない性的接触』を行った」と認定し、ICCの執行機関がこの問題を採決に付し、今回の解任が正式に決定した。
2002年に正式発足したICCは、ジェノサイド(集団殺害)、戦争犯罪、その他の重大犯罪を捜査・起訴することを任務としている。2021年に9年の任期で選出されたカーン氏は、2023年にはプーチン大統領、2024年にはネタニヤフ首相に対する逮捕状の発付を請求するなど実績を上げてきた。現在も、逮捕状に基づき拘束されたフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の裁判が進められている。
ICCは現在、ドナルド・トランプ政権の集中攻撃を受けている状況で、今回の事件は致命的な打撃となる可能性があるとの見方が出ている。マルコ・ルビオ米国務長官は今月13日、ウォール・ストリート・ジャーナルの寄稿文で「政府のあらゆる手段を動員し、同盟国と協力してICCを一つずつ解体していく」と述べた。米国は「ICCが国家の上に君臨する超国家的法執行機関だ」として攻撃したが、一部ではトランプ大統領が自身がICCの捜査および起訴の対象になるのを防ぐためのものだとの分析も出ている。ロイターは「今後、米軍の軍事行動に対して、ICCがトランプ政権関係者の責任を追及しようとする動きを事前に封じる意図も一部にある」と報じている。















コメント1
磯爺
「ICCが国家の上に君臨する超国家的法執行機関だ」当たり前である。ICCの目的を鑑みれば立場上そうでなければならない。拘束力は弱いが、侵略テロ国家などの悪行を世界に知らしめることが出来る。米国は正義と大義のある戦争だったら批判せず胸を張れ。