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2025年06月29日日曜日
ホームライフスタイル「週1回しか便が出ない…」15年続いた“ただの便秘”の正体は、がんリスク高まる重大疾患だった!?

「週1回しか便が出ない…」15年続いた“ただの便秘”の正体は、がんリスク高まる重大疾患だった!?

引用:iclickart
引用:iclickart

15年間にわたり慢性的な便秘に苦しんだ30代の女性が、ついに深刻な消化器疾患と診断された。医師はこの事例を通じて、腸内環境の変化を軽視しないよう警鐘を鳴らしている。

米ジョージア州にある健康クリニックの腸内専門医デビン・ワーゲンマン博士は、SNSを通じて35歳女性患者のエピソードを公開した。この女性は15年以上にわたり週1回の排便しかなく、腹部膨満やガス、慢性的な腹痛に悩まされていた。

症状の背景には「小腸内細菌異常増殖症(SIBO)」があった。通常、小腸にも一定の細菌が存在するが、それが異常増殖すると、栄養吸収の阻害やガスの蓄積など、消化器系にさまざまな影響を及ぼす。この女性もその典型例だった。

患者は菜食主義者であり、十分な食物繊維を摂っていたが、排便は極めて少なかった。過去に複数の医師が単なる便秘と診断し、市販の下剤を勧めるにとどまっていた。

ワーゲンマン博士が実施した便の精密検査では、腸内の細菌レベルが異常に高いことが判明。これにより腸内発酵が進み、ガスが蓄積し、排便がさらに困難になっていたと見られる。

治療後2か月で女性の排便頻度は週2~3回まで回復し、症状も大きく改善された。博士は「週1回の排便は明らかに異常であり、健康への重大な警告と考えるべきだ」と強調する。

引用:iclickart
引用:iclickart

このケースは、消化器系の不調が放置された結果、重大な疾患に発展する可能性を示している。実際、2016年に発表された研究では、SIBO患者において膵臓がん、胆道がん、大腸がんの発症率が有意に高いことが確認されている。慢性的な腸内炎症が免疫機能の低下を招き、がんの発生環境をつくる可能性があると指摘されている。

オーストラリアの別の30代女性は、腹痛や便秘などの症状を乳糖・グルテン不耐症と誤診され、10か月後の内視鏡検査で大腸と肝臓に転移したステージ4の大腸がんと判明した。

腸の不調は「サイレントキラー」の異名を持つ膵臓がんなど、命に関わる病気の初期サインであることも少なくない。特に初期症状が消化不良や膨満感と似ているため、発見が遅れるケースが多い。

専門家は「日常的な排便リズムの乱れを軽視せず、違和感を感じたら検査を受けることが、重大疾患を未然に防ぐ第一歩だ」と呼びかけている。

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