
秋を代表する果物、リンゴは美味しいだけでなく、さまざまな健康効果を持っている。リンゴには食物繊維、ビタミンC、抗酸化物質などが豊富に含まれ、毎日の健康維持に役立つ。イギリスには「リンゴを毎日1個食べれば医者いらず」ということわざもあるほどである。
秋の訪れとともに旬を迎えるリンゴは、消化や脳の健康、体重管理、さらには慢性疾患の予防にも効果があることが研究で示されている。
心血管疾患のリスク低下
リンゴを皮ごと摂取すると、食物繊維やポリフェノールなど心臓の健康をサポートする栄養素を多く取り入れられる。研究によれば、毎日100~150gのリンゴを食べることで、高コレステロールや高血圧など心臓病のリスク要因が減少する。また、脳卒中による死亡リスクは27%、心臓病による死亡リスクは25%低下することが分かっている。
消化器の健康
リンゴは水溶性食物繊維であるペクチンの優れた供給源である。ペクチンは消化管内で水分と結合し、柔らかい便を形成して排泄を促す。また、腸内の有益な細菌の成長を促すプレバイオティクスとしても作用する。
体重管理のサポート
水分と食物繊維が豊富でカロリーが低いリンゴは、満腹感を維持しつつ1日の摂取カロリーを抑えるのに役立つ。研究では、食物繊維の多い果物や野菜を摂ることで体重減少が促進され、リンゴの摂取はBMIの低下とも関連していることが示されている。
糖尿病リスクの軽減
リンゴなどの丸ごとの果物を1日2個食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、2型糖尿病のリスクが36%低下する。リンゴに含まれるケルセチンなどのフラボノイドは血糖値を下げ、インスリン感受性を改善する。また、水溶性食物繊維は炭水化物の吸収を遅らせ、血糖の急上昇を防ぐ。
がん予防効果
リンゴには抗酸化物質やファイトケミカルが豊富に含まれ、フリーラジカルの影響を抑えてがんリスクを低減する可能性がある。大腸がん、乳がん、肺がんなどのリスク低下にも寄与する。
脳の健康サポート
リンゴの抗酸化物質は神経細胞を酸化ダメージから保護し、高齢者の認知機能維持やアルツハイマー病予防に役立つ可能性がある。
栄養成分
中サイズのリンゴ1個(約95kcal)には、タンパク質0.5g、炭水化物25g(糖分19g)、食物繊維4.4g、ビタミンCは1日の推奨量の9%、水分86%が含まれる。抗酸化物質としてケルセチン、カテキン、クロロゲン酸、エピカテキンなどが豊富である。
選び方と注意点
新鮮なリンゴは、へたの部分が乾いておらず、軽く叩くと弾むような音がする。色が濃く艶のあるものが良質である。過剰に食べなければ副作用はほとんどないが、腹部膨満感やガス、消化不良を起こすことがある。また、リンゴアレルギーのある人やシラカバ花粉アレルギーのある人は注意が必要である。リンゴの種にはシアン化物配糖体が含まれており、大量摂取は避けるべきである。
おすすめの食べ方
リンゴは洗って皮ごとそのまま食べるのが最も栄養を摂取できる方法である。また、料理にも活用でき、サラダに加えたり、焼きリンゴやリンゴスムージーなど、様々な楽しみ方がある。
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