
ポルシェが電動化戦略を巡って新たな方向性を探り始めている。当初描いていた純電気自動車の拡大構想は思ったほど成果を上げられず、ブランドの主力モデルの将来にも変化の兆しが見え始めた。
ポルシェはテスラの攻勢に対抗するため早くから電動化を加速させてきた。タイカンは市場で注目を集め、EVブランドとしての地位を確立。2代目マカンも純電気モデルのみで登場させるという大胆な選択をした。しかし結果は期待に届かず、タイカンの販売は低迷。消費者は新型電動マカンよりも従来型の内燃機関搭載マカンを依然として支持した。

こうした状況を受け、ポルシェは販売戦略の軌道修正に動いている。最近発表された新型911ターボにはハイブリッドパワートレインが採用され、今後登場予定の3列シートを備えた大型SUVも、当初のEV専用ではなく、まずは内燃機関モデルから投入される可能性が高まっている。
718シリーズにも計画変更が見込まれる。当初は次世代ボクスターとケイマンをEV専用モデルへと完全移行させる方針だったが、内燃機関を廃止するリスクが大きいと判断。純電気モデルと内燃機関モデルを並行展開する方向で検討が進められている。

こうした流れを映すかのように、デジタルアーティストのアンドレイ・アバルバリ氏(Andrei Avarvarii)が次世代718シリーズの予想レンダリングを公開した。画像のボクスターは赤と緑のオープントップ仕様で、後席の後方に内燃機関を搭載する構成。一方、黄色のケイマンは同じデザイン言語を共有しつつ、純電気パワートレインを採用している。
ポルシェが内燃機関とEVを同時に展開する戦略を取れば、718シリーズはブランドの伝統的アイデンティティと電動化の流れをつなぐ重要なモデルになると見られる。
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