ナヴァロ氏「中国のサプライチェーンによる搾取に、より脆弱になる」

米フォード・モーターが、ハイブリッド車の一部モデルに中国・比亜迪(BYD)製バッテリーを採用する可能性を検討していると、「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」が15日(現地時間)に報じた。
関係者によると、両社は具体的な協力方式について協議を進めており、選択肢の一つとして、BYDのバッテリーを米国外にあるフォードの工場へ輸入する方式が浮上しているという。
BYDは米カリフォルニア州のバス工場で一部の商用車向けバッテリーを生産しているものの、米国内で乗用車向けバッテリーの製造は行っていない。
仮に協力が実現すれば、フォードは米自動車業界を脅かす中国最大の電気自動車(EV)メーカーと手を組むことになる。BYDはEVの製造だけでなく、以前からEV向けバッテリーの生産も手掛けてきた。
フォードは現在、EVへの移行計画を先送りし、ハイブリッド車やガソリン車に重点を置く形で戦略を全面的に修正している。こうした方針転換に伴い、低価格で高品質な車載バッテリーの確保が課題となっている。
フォードはこの戦略変更により、2027年までに195億ドル(約3兆700億円)の費用を計上する見通しだと明らかにした。
また、昨年12月にLGエナジーソリューションと締結したEV用バッテリーセル・モジュールの長期供給契約を解除したのも、電動化計画の見直しに伴う措置の一つとされる。
両社にはすでに協力実績がある。フォードと中国企業の合弁会社である長安フォードは、2020年からBYDのバッテリーを使用してきた。
一方、フォードは米ミシガン州マーシャルに30億ドル(約4,700億円)を投じ、EV用バッテリーセルの生産工場を建設中だ。中国の電池メーカーCATLのリン酸鉄リチウム(LFP)技術をライセンスを受けて導入し、今年から約3万ドル(約470万円)水準の電動ピックアップトラック向けバッテリーを生産する計画としている。
この工場計画は共和党議員らの批判を招き、米議会は今回の取引およびプロジェクトに対する調査に着手した。

「WSJ」の報道後、トランプ政権の関税政策を主導してきたことで知られるピーター・ナヴァロ大統領補佐官(通商・製造業担当)は、SNSの「X(旧Twitter)」に投稿し、「中国の競合企業のサプライチェーンを太らせるだけでなく、その供給網に依存することで、かえって足元をすくわれかねないのではないか」と強く批判した。
トランプ大統領はこれに先立つ13日、デトロイトのフォード工場を訪問し、「関税のおかげで米国内により多くの工場が建設されている」と主張。「欧州では中国が自動車産業を掌握している。では、ここではどうか。我々は中国から入ってくるすべての自動車に100%の関税を課している。だからこそ(米自動車業界が)十分に競争できるようになるのだ」と述べ、関税政策の正当性を強調した。













コメント0