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韓国ユン大統領の権限縮小で外交危機、来年の外交・安保行事にも影響か?日米韓協力への影響に懸念

佐藤美穂 アクセス  

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

来年10月のAPECまで影響

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が具体的な政権方針を示さないまま「2線後退(大統領が権力や責任を縮小し、政権の中心から後退している状態)」を表明したことで、韓国は外交・安保危機において深刻な不透明な状況に陥っている。ユン政権の最大の成果とされていた日米韓三国協力体制も揺らぎを見せており、国防省は非常事態宣言を発令した。要人が次々と対応に当たっているものの、政府全体が機能不全に陥っているとの指摘がある。この状況が続けば、直面する安全保障上の危機に加え、来年予定される重要な外交・安保関連イベントにも悪影響を及ぼす可能性が高い。

外務省は9日、日米韓による北朝鮮核問題に関する高官協議が非常事態宣言下にもかかわらず予定通り開催されたと発表した。韓国側からは趙九来(チョ・グレ)外交戦略情報本部長が出席し、3カ国は北朝鮮の挑発や非核化問題、非常時宣言がこれらに与える影響について協議する見通しだ。

一方、これ以外の日米韓、日韓、米韓間の高官級協力はほぼ停止状態に陥っている。ロイド・オースティン米国防長官の訪韓は保留され、日米核協議グループ(NCG)の会合や図上演習も無期限延期となった。また、石破茂首相が来年1月に予定していた訪韓計画も中止されたと報じられている。

ドナルド・トランプ次期米大統領が当選から1カ月余りで、エマニュエル・マクロン仏大統領や、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領らと会談し、「首脳外交」を始動させたことが韓国に新たな課題を突きつけている。韓国では、大統領の「2線後退」によって首脳級の対話が停止し、外交の空白が生じているためだ。仮に首相が大統領の役割を代行したとしても、トランプ陣営がその首相を適切な対話相手と見なすかどうかは依然として不透明な状況にある。

来年予定されている外交・安保関連の行事は、依然として不確実な状況だ。日韓国交正常化60周年を迎える来年6月や、10月に予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など、重要な行事が控えている。こうした中、外務省は米国との高官級対話を通じて事態の収拾を図っている。

趙泰烈(チョ・テヨル)外交部長官は前日夜、ゴールドバーグ駐韓米大使と会談し、韓国の民主主義の回復力と法治主義の歴史を強調した上で、この危機を乗り越える決意を示した。

佐藤美穂
editor@kangnamtimes.com

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