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米、関税交渉で「見せかけの柔軟性」、名ばかりの「自由貿易」にEUは困惑と苛立ち…

川田翔平 アクセス  

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

世界185の国・地域に無差別な「相互関税」を課したアメリカが、欧州連合(EU)との初の協議で、どのような合意に達しても相互関税を完全に撤廃する考えはないことを示唆した。これは、米国産業を構造的に保護する措置を固持する姿勢とみられ、アメリカがEU以外の他国との交渉でも同様の態度を取るのか注目される。

15日(現地時間)、英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、マロシュ・シェフチョビチEU貿易・経済安全保障担当委員は前日、米ワシントンD.C.でハワード・ラトニック米商務長官およびジェイミソン・グリア米通商代表部(USTR)代表と面会した。これは今年1月にドナルド・トランプ大統領が就任して以降、初めてで、通商協議を行い、約2時間にわたり意見が交わされた。

トランプ大統領はEUを含む全世界から輸入される鉄鋼・アルミ・自動車に25%の品目関税を追加し、今月2日からは10%の基本相互関税を導入した。9日には国別の追加相互関税を発効した直後、これを90日間猶予すると発表しつつ、基本関税(10%)は猶予期間中も維持すると明らかにしていた。

EUに課された相互関税は合計で20%にのぼる。FTは14日、ワシントンD.C.で行われた協議について報告を受けたEU政府関係者2人の話として、協議は容易ではなかったと伝えている。関係者らによれば、米交渉チームは国外へ流出した産業サプライチェーンの米国内回帰を促進するため、一定の追加関税は維持したいと考えているという。

ある関係者は「米国は自動車や鉄鋼に対する関税は下げられないと述べ、相互関税は柔軟に適用できると言いつつも、それでも下限が10%だという」と指摘した。「それでは一体どこに柔軟性があるというのか」と不満を漏らした。

別の関係者は、トランプ政権内の混乱により、何が本音で何が交渉戦略なのかを見分けるのが難しいと語った。「トランプ政権は立場を頻繁に変える。誰が実際の決定権を持っているのかも不明だ」と述べ、「いかなる事にも確約をしないこと自体が一つの戦略のように繰り返されている」と説明した。

15日、オロフ・ギルEU貿易担当報道官は、EUが両者の全産業製品に対する関税撤廃を繰り返し提案しているとし、「米国がこの交渉で何を望んでいるのか、さらに聞く必要がある」と述べた。彼は「交渉は双方向でなければならない。EUは提案を行ったので、今度は米国が立場を明確にすべきだ」と述べた。また、ギル報道官は「EUは引き続き建設的な姿勢でこの交渉に臨む」と主張し、「90日間の猶予期間内に結果を出すには、双方の努力が必要だ」と強調した。

トランプ大統領は今年、相互関税を導入する際に、貿易相手国が米国製品に不当に高い関税を課しているとして、相手国にも関税を課すことで公正な貿易を実現すると主張していた。しかし8日には、自身のSNSに「相互関税の交渉では関税だけでなく、産業や安全保障の問題でも合意を目指す」と書き込んだ。

トランプ大統領は、EUが昨年、米国との商品の貿易で2350億ドル(約33兆5,323億円)の黒字を記録したことを「不公正な貿易」と批判し、EUが米国産の液化天然ガス(LNG)や自動車をより多く購入すべきだと主張している。さらに、米国産の鶏肉に対するEUの非関税障壁の撤廃も要求している。

ギル報道官によれば、シェフチョビチ委員は14日の協議で「関税の範囲に集中した」と述べた。シェフチョビチは、米EUの双方が工業製品に限って関税を撤廃するよう提案し、国際的な鉄鋼・アルミニウムの過剰生産問題についても議論したという。15日、シェフチョビチはソーシャルメディア「X」に「米国と相互の関税撤廃および非関税障壁の協議に応じる意向がある」と投稿した。一方で、食品や保健、安全基準およびデジタル市場に適用される規制については、協議の対象にはなり得ないと強調した。

川田翔平
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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