
北朝鮮の金正恩総書記は前日、長距離砲・ミサイル体系の合同打撃訓練を直接指導し、「戦争抑止戦略と戦争遂行のあらゆる面で核戦力の中枢的役割を絶えず高めていく必要がある」と指摘した。
朝鮮中央通信は9日、金総書記が前日、東部前線部隊の長距離砲・ミサイル体系合同打撃訓練を指導した際にこう述べ、「戦術核兵器体系の戦闘的信頼性をさらに高め、運用範囲を複合的に継続的に拡大していくための重要な課題を提示した」と報じた。
通信は今回の訓練に「600㎜多連装ロケット砲と戦術弾道ミサイル『火星砲-11カ』型が投入された」とし、「訓練は国家核兵器総合管理体系に基づき、上記の砲及びミサイル攻撃体系を運用する手順を該当部隊に習熟させることを目的として実施された」と説明した。
また、国防省報道官は「敵が高めている敏感な地域の軍事情勢の変化に対処するための我が軍の迅速な対応態勢と能力を示す十分な実践的措置となるだろう」と訓練を説明したと伝えた。
金総書記は訓練を指導し、「核戦力の常時戦闘準備態勢を絶えず完備することが極めて重要だ」とし、「長距離精密打撃能力と効率性を持続的に向上させる事業に引き続き力を入れなければならない」と強調した。そして、「砲兵の強化と軍の戦闘力強化であり、国家の防衛力強化である」という確固たる認識のもと、「砲兵力の質的優位を優先的に強化していくことは我が党の一貫した軍事力建設方針だ」と述べた。
訓練では砲・ミサイル射撃に先立ち「核トリガー」体系の作動信頼性を検証したと通信は伝えた。核トリガーは核兵器使用命令と実際の発射過程を一元化する核兵器総合管理体系で、2023年3月に核トリガー体系の開発が報じられた。
朝鮮中央通信は「朝鮮半島と周辺地域で核作戦演習を連鎖的に展開している米国と追随国の無謀な情勢激化行為は、我が軍に迅速な対応力と徹底した臨戦態勢を要求している」と指摘し、今回の訓練が米韓、日米韓の軍事協力への対抗措置であることを示唆した。
金総書記の訓練指導には、党中央委員会のパク・チョンチョン、チョ・チュンリョン、キム・ジョンシク指導幹部とミサイル総局のチャン・チャンハ局長、国防科学院のキム・ヨンファン院長らが同行した。韓国の合同参謀本部は前日、北朝鮮が元山市(ウォンサンシ)一帯で様々な種類の短距離弾道ミサイル数発を日本海に向けて発射したと発表した。北朝鮮はKN-23(北朝鮮版イスカンデル)とKN-25(600㎜超大型ロケット砲)などを混ぜて試射したとみられている。