
ウクライナ軍の第425独立強襲連隊(通称「スカラ連隊」)は21日、同国初の「バイク突撃中隊」を正式に発足したと発表した。
この部隊は、オフロードのバイクを駆使して敵陣地を迅速に突破し、襲撃や奇襲攻撃を遂行する任務を担う。中隊はテレグラムで「我々は新型の騎兵隊を手に入れた」と述べ、「数百時間の訓練により走行中でも突撃銃での射撃が可能になった」と明かした。公開された映像には、兵士2名が1台のバイクに乗り、移動しながら射撃する様子が捉えられている。
これはロシア軍が近年多用している戦術を模倣したものだ。ロシアはドローン攻撃に弱い装甲車の代わりに、バイクを用いた高速機動の突撃を試みてきた。実際、今年4月にポクロウシク地域で、ロシア軍が100台以上のバイクを動員し攻撃を敢行した。
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は「ロシアは2023年から2024年にかけての大規模な装甲車の損失を受け、ドローン攻撃を回避するためバイクの活用を増やしている」と分析している。当初は自爆攻撃に用いられていたロシア式戦術をウクライナが採用したことになる。新設された中隊は既に初の実戦作戦を成功裏に終えており、これは戦争の様相が変化していることを示す象徴的な事例といえる。
ウクライナ軍のパブロ・シャムシン報道官(中佐)は「ロシアが全戦線でバイク突撃兵の訓練を強化している」と指摘し、「2025年春・夏の戦闘はバイクを中心に展開される可能性が高い」との見通しを示した。