メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

【EV航続距離革命なるか】MITが開発した”レンガサイズ”燃料電池がすごい!リチウムイオン電池の3倍エネルギーで「短距離飛行が現実に」

望月博樹 アクセス  

MIT、液体ナトリウム燃料電池を開発

「レンガサイズで短距離飛行が可能に」

引用:グレッチェン・エルトル
引用:グレッチェン・エルトル

電気自動車に使用されているリチウムイオン電池よりも3倍以上の電力エネルギーを蓄えることができる燃料電池が開発された。電気自動車の航続距離の大幅な向上はもちろん、二酸化炭素を排出しない電動航空機の商業化を早める可能性があるとして注目されている。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、エネルギー密度が1kgあたり約1,700Wh(ワット時)に達する燃料電池を開発した。液体ナトリウムを利用して電力を生成する仕組みで、研究成果は先月28日(現地時間)、エネルギー科学分野の国際学術誌『ジュール(Joule)』に掲載された。

エネルギー密度とは、単位重量または単位体積あたりにどれだけのエネルギーを蓄えられるかを示す指標で、数値が高いほど効率的にエネルギーを保存できる。現在のリチウムイオン電池は、1kgあたり約300Whのエネルギーを蓄えるとされている。

研究チームは、リチウムに比べて安価かつ入手が容易な液体ナトリウムを用いた燃料電池を開発した。燃料電池は、電気エネルギーを生成する燃料である液体ナトリウムを使い切った後に補充する形式で、充電式の二次電池とは異なる概念だ。液体ナトリウムは、金属ナトリウムを加熱して液状にした物質である。

研究チームは実験室で、H字型構造の液体ナトリウム燃料電池を試作した。この構造は、垂直に配置された2本のガラス管を電解質チューブで接続したHの形をしている。片方のガラス管には液体ナトリウムを、もう片方には空気を通す仕組みである。チューブには、ナトリウムイオンだけを通すセラミック製の膜「固体セラミック電解質」と、酸素が通過しナトリウムイオンと反応する「多孔質空気電極」が設けられている。燃料電池に多量の空気を流すと、酸素が液体ナトリウムを消費しながら電気化学反応を引き起こし、電力を生成する。

開発された燃料電池のエネルギー密度を測定したところ、1kgあたり約1,700Whの電力を蓄えることができた。これを実際の製品向けのシステムとして構成した場合でも、1,000Wh以上のエネルギーを貯蔵できると分析されている。現在主流のリチウムイオン電池に比べて3倍以上のエネルギーを蓄える計算となる。

これまでMIT研究チームのように、ナトリウムと空気を用いた燃料電池の研究は進められてきたが、その多くは固体ナトリウムに限定されていた。固体ナトリウムを使った電池では、反応によって生じる副産物の大半が固体であるため、それらが電極に付着して反応を妨げ、電池の寿命が短くなるという課題があった。

MITの研究チームは、液体ナトリウムと大気中の湿度を活用することで、これまでの課題を克服した。高湿度の環境下では、反応による副産物の大半が液体として生成されるため、固体に比べて除去が容易であり、これにより燃料電池のエネルギー変換効率が向上した。研究に参加したMIT博士課程のサヒール・ガンティアグラワル氏は、「ナトリウム-空気電池の開発において、湿度の調整を試みたのは今回が初めての事例だ」と評価している。

研究チームはこの成果をもとに、MIT発のスタートアップ企業「プロペル・エアロ(Propel Aero)」を通じて、レンガサイズの燃料電池の製造を計画している。この燃料電池は1kgあたり約1,000Whのエネルギーを蓄えることができ、長距離の大陸横断や大西洋横断には至らないものの、国内移動や近隣地域でのフライトには十分な電力量を提供できると見込まれている。また、この燃料電池は、リチウムイオン電池と比較して二酸化炭素を排出せず、火災のリスクも低いため、安全性の面でも優れている。MIT材料科学・工学科のイェット・ミン・チアン教授は、「電動航空機の大規模な商業化を実現する画期的な技術だ」とし、「船舶や鉄道輸送にも応用できる」と説明した。

望月博樹
CP-2023-0364@fastviewkorea.com

コメント0

300

コメント0

[IT・テック] ランキング

  • AIが最初に奪う仕事は何か、MS研究が示した40職種
  • ついに登場!巨大ロボット「アーカックス」の衝撃
  • 【衝撃】AIの助けで命を救った少年の奇跡
  • 「OpenAI、ついに失速か?」Gemini3に勝てない焦りの裏で“偽ベンチマーク流出”が発覚!
  • 「Appleよ、普及モデルiPadにA19搭載か!」——内部コードが示した“衝撃の戦略転換”
  • 「独占企業の横暴か」...YouTubeをAI学習に“無断使用”!?EU、グーグルに最大売上10%の制裁も

こんな記事も読まれています

  • SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由
  • 「バッテリー不安は解消できるのか」BMW、EVにガソリンを載せる理由
  • 出勤前にエンジンがかからない!?冬のバッテリー放電を防ぐ方法
  • 北米赤字が突きつけた現実、ホンダ・日産・三菱が米国で共同戦線
  • 「愛情が深すぎる!」子どもは忙しくて来られないのに、入院した祖母に毎日会いに来る犬
  • なぜ年を取ると一人が心地いいのか、精神科医の見解
  • なぜここに集まった?1万6600の恐竜足跡が残した謎
  • 運動だけでは足りない、心臓を守る6つの食材

こんな記事も読まれています

  • SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由
  • 「バッテリー不安は解消できるのか」BMW、EVにガソリンを載せる理由
  • 出勤前にエンジンがかからない!?冬のバッテリー放電を防ぐ方法
  • 北米赤字が突きつけた現実、ホンダ・日産・三菱が米国で共同戦線
  • 「愛情が深すぎる!」子どもは忙しくて来られないのに、入院した祖母に毎日会いに来る犬
  • なぜ年を取ると一人が心地いいのか、精神科医の見解
  • なぜここに集まった?1万6600の恐竜足跡が残した謎
  • 運動だけでは足りない、心臓を守る6つの食材

おすすめニュース

  • 1
    胸を砕いたバーベル落下の瞬間…55歳男性が崩れ落ちた“防犯カメラの数秒間”

    気になる 

  • 2
    SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由

    フォトニュース 

  • 3
    「まさかの乱入者」結婚式を乗っ取った犬…花嫁より注目を集めた理由

    フォトニュース 

  • 4
    「バッテリー不安は解消できるのか」BMW、EVにガソリンを載せる理由

    フォトニュース 

  • 5
    10ドルの中古品から30万円!?TikTokを騒がせた“豚の貯金箱事件”

    気になる 

話題

  • 1
    出勤前にエンジンがかからない!?冬のバッテリー放電を防ぐ方法

    フォトニュース 

  • 2
    幼児二人がグミ後に意識喪失…搬送先で語られた“原因”とは

    気になる 

  • 3
    北米赤字が突きつけた現実、ホンダ・日産・三菱が米国で共同戦線

    モビリティー 

  • 4
    「ホンダは15%急減」5か月ぶりのマイナス、日本車4社が米国で失速した理由

    モビリティー 

  • 5
    「なぜ人はキスをするのか?」数百万回の進化シミュレーションが出した答え

    トレンド 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]