
中国海軍の空母などが日本の東端の排他的経済水域(EEZ)に初めて進入したことが確認されたとメディアが報じた。防衛省は中国軍が遠距離作戦能力の拡大を図る動きとみて警戒を強化している。
NHKは9日、防衛省統合幕僚監部の発表として、「7日、中国海軍の空母『遼寧』とミサイル駆逐艦など計4隻が、日本の東端に位置する小笠原諸島の南鳥島から南西約300kmの日本のEEZ内を航行した」と伝え、「海上自衛隊がこれを確認した」と報じた。
共同通信も、空母「遼寧」などが7日から8日にかけて南鳥島付近の太平洋海域を航行し、空母搭載の戦闘機やヘリコプターの離着陸が確認されたと、政府発表を引用して報じた。「遼寧」は旧ソ連製空母を改造し、2012年9月に就役した中国初の空母だ。
メディアによると、「遼寧」などは先月末から沖縄近海の東シナ海と太平洋で訓練を終えた後、南鳥島方面へ北上したとみられる。中国海軍が「遼寧」を用いて日本周辺で訓練を行うのは今回が初めてではない。昨年9月にも沖縄の伊良部島と与那国島の間を通過する様子が確認されていた。
中国軍は現在、有事の際に米軍の接近を阻止する防衛線の一つとして、日本の小笠原諸島周辺に「第2列島線」を構築する戦略を採っているとされる。NHKは「今回、遼寧空母などが活動した海域も『第2列島線』周辺に該当する」とし、「防衛省は中国が空母の運用と遠距離作戦能力の向上を図る意図があるとみて、警戒監視を継続している」と分析した。