ロシアの魂・愛国教育・領土拡張を強調…ウクライナ侵攻の正当化論に

「メジンスキーはプーチンの歴史著作のゴーストライター」との主張も

「ロシア・ウクライナ戦争は兄弟喧嘩」 vs 「拡張主義的野心を覆い隠す言葉」

引用:X@President of Russia
引用:X@President of Russia

ロシアとウクライナの和平交渉が、トルコ・イスタンブールでの第2回会談以降、行き詰まりを見せる中、ロシア側の交渉団長が強硬な姿勢を示した。

「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は10日、交渉団長で大統領補佐官を務めるウラジーミル・メジンスキー氏とのインタビューで、ウクライナがロシアの要求事項リストに同意しなければ、さらに多くの領土を失うことになると警告したと報じた。

WSJは、メジンスキー氏について、ロシアがウクライナへの侵攻を決断するに至った歴史修正主義の主要な設計者の一人だと紹介した。

戦争が3年を迎える今、メジンスキー氏は、自身の歴史観に基づき、ウクライナが西側との統合を目指すのではなく、ロシアの提示する和平条件を受け入れる方が賢明だと主張している。

インタビューで彼は、「ロシアと長期戦を行うことは不可能だ」と述べ、18世紀にロシアがスウェーデンとの21年間の戦争に勝利したことをその根拠として挙げた。

WSJはこれに対し、ロシアが長期戦で敗北した事例もあるとして、10年間泥沼化したアフガニスタン戦争を挙げた。

メジンスキー氏は、今月5日にウクライナが実施した「蜘蛛の巣」作戦により、ロシアの爆撃機が少なくとも12機が出動した件については、「この出来事が和平交渉に暗い影を落としたわけではない」と述べた。

両国は捕虜交換については合意したものの、交渉は目立った進展を見せておらず、むしろ大規模なドローン攻撃やミサイル攻撃が未だに続いている。

メジンスキー氏は、「ウクライナが妥協しなければ、さらなる領土の喪失を招くだけだ」と警告した。

一方、ウクライナ政府の顧問である元国防相アンドリー・ザゴロドニュク氏は、「ロシアは和平を望んでいない。メジンスキー氏がそれを証明してくれる必要はない」とコメントした。

ウクライナ当局者によると、メジンスキー氏は、イスタンブールで行われた和平協議の場で、数世紀にわたる過去の対立に関する曖昧な歴史解釈を繰り返し持ち出し、ウクライナ側に自身の歴史観を押し付けようとしたという。

WSJは、メジンスキー氏がまさにこのような過去に対する独自の解釈によって政界で頭角を現した人物であると紹介している。

2000年代、彼は『ロシアについての神話』というタイトルの人気歴史書シリーズを執筆した。この著書で、ロシア人に対する酩酊や残虐性といった固定観念を批判し、「ロシア人の魂」という概念を強調している。ロシア人は本質的に権威主義的であるという主張にも反論を加えた。

2012年から2020年までは、プーチン大統領の下で文化大臣を務め、ロシアの歴史を肯定的に描くビジョンを推進した。歴史的人物の銅像を全国各地に設置する運動も主導したことがある。

また、教科書の共著にも関わり、クレムリン主導の「愛国教育」に積極的に関与した。これは、ロシアの暗い歴史を軽視し、「特別軍事作戦」と称されるウクライナ侵攻を正当化するものだった。

2022年6月、メジンスキー氏は自身の別の歴史書シリーズの中で、数世紀にわたってロシアの急速な領土拡大に貢献した歴代の政治家たちに言及した。

プーチン大統領の側近で作家のミハイル・ジガリ氏は、メジンスキー氏がプーチン氏の歴史関連著作のいくつかを「ゴーストライター」として執筆したと主張している。

その中には、2021年6月に発表された、ウクライナの国家としての地位を否定し、ウクライナ侵攻を正当化するための論点を盛り込んだエッセイなども含まれている。

メジンスキー氏はWSJとのインタビューで、西側諸国の誤りは、ウクライナの内戦を英国とフランス、それぞれ独自の歴史と文化を持つ二国間の対立と同様に捉えていることだと指摘した。

彼は、ウクライナとの戦争は本質的に一つの民族間の争いで、密接な同盟関係を結ぶ運命にある兄弟国同士の内戦だと主張している。

「これは二人の兄弟、兄と弟が、どちらが賢く、どちらが重要かを争うようなものだ」と語った。

一方、ウクライナ側は、メジンスキー氏のようにウクライナ国民を「家族の弟」と見なす視点こそが、ロシアの根本的な拡張主義的野心を覆い隠すためのレトリックだと反論している。

メジンスキー氏はまた、「ロシアとの長期戦は、最終的に敵の必然的な敗北で終わるだろう」と警告した。

荒巻俊
荒巻俊

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コメント2

  • 日本のベッセント

    ウクライナ! がんばれ! ロシアは戦争を止める気はないが、正義はウクライナに有り。 トランプ大統領もその内協力せざるを得ないことになる。

  • ロシアはいちおう大国、立派な大人。国連でもいちおう、恥ずかしくもなく責任ある特別席についている。それなのに、うぶなウクライナ国少年がよそ見していた時に、いきなり殴り蹴ったのだ。何を根拠に先制攻撃をしたのだ。ロシアが悪いに決まっている。 エラソウニ上から目線で、ウクライナとは兄弟だ、他人は構わないでくれ、と言ってるらしいが、弟いじめを、親の前で、どう言い訳するのか。いや、ロシア自身、兄であり親もであると思ってるだろうからなあ。 ウクライナが早く勝利を収められるよう、世界の民主主義国はこぞってウクライナに武器弾薬を送り届けてほしい。 プーチンの冷ややかな顔。豪邸に住んでるらしい。あんなやつを大統領に当選させるロシアの制度や国民も信用できない。人のよさそうなゼレンスキーとは雲泥の差だ。ウクライナ、頑張れ!

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