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【アップル危機】「革新のアイコン」に何が起きた?中国シェア急落、AI後進で投資家も見放し始める

織田昌大 アクセス  

引用:Depositphotos
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かつて「革新のアイコン」と称賛されたアップルが、その栄光に陰りを見せている。今週開催された年次イベント「WWDC(世界開発者会議)」に対し、「過去最も見どころのない発表だった」とする辛辣な声も上がっており、業界では同社の技術的停滞と存在感の後退に厳しい視線が注がれている。

ハードウェアの発表なし、目新しさ欠いたソフト刷新

今年のWWDCでアップルは、期待された新型ハードウェアを一切発表しなかった。代わって示されたのは、iOSのバージョン表記を年式ベースに変更し、2026年度から「iOS 26」を導入するという制度上の調整。また、透明感のあるUI「リキッドグラス(Liquid Glass)」を披露し、「過去最大級のソフトウェアデザイン刷新」とアピールしたが、市場の反応は総じて冷ややかだった。

AI関連では、メッセージや通話、FaceTimeで利用できるオンデバイス型のリアルタイム通訳、画像認識を用いたスケジュール登録やショッピング情報への誘導機能(いわゆる「ビジュアルインテリジェンス」)が追加された。だが、これらの機能の多くはすでにサムスンやグーグルが提供しており、「新規性は感じられない」との見方が大勢を占める。

AI競争で後れ、Siriも進化見えず

グーグルはすでにGalaxy S24シリーズでリアルタイム通訳や画像検索を実装しているほか、テキストだけで高精度な映像を生成するAI「Veo 3」も発表し話題を集めている。検索エンジンへのAI統合や「デジタルツイン」戦略など、エコシステム全体での進化も加速している。

それに対して、アップルは独自AI「Apple Intelligence(アップル・インテリジェンス)」の発表に今年はほとんど時間を割かず、昨年約40分をかけて語られたビジョン説明も見送られた。「Apple Intelligence」という言葉自体の登場回数も大幅に減少しており、万能アシスタント「Siri」の進化もほとんど言及されなかった。

一応、Siriが文脈を理解してアプリ操作を代行する機能については説明されたが、具体的な提供時期は未定のまま。ソフトウェア責任者のクレイグ・フェデリギ氏は「さらなる時間が必要」とコメントし、『ウォール・ストリート・ジャーナル』も「AI開発の遅れが続いている」と指摘した。

投資家からも厳しい声が上がる。米投資家ロス・ガーバー氏は「見せ場のないイベントをなぜ開催したのか分からない」「アップルはAIの舞台にすら立てていない」と断じた。

世界市場での苦戦、中国でのシェア急落

アップルを取り巻く環境は技術面にとどまらない。アプリストアの手数料徴収に対する法的制約、グーグルとの年間200億ドル規模の検索契約の不確実性、さらにはドナルド・トランプ前大統領による「米国内生産」圧力といった規制リスクも浮上している。

中でも最も深刻なのが中国市場だ。ブルームバーグによれば、中国におけるiPhoneの販売は厳しい局面に直面しており、最新AI機能を搭載したiPhoneが未だに中国本土で発売できていない点も競争上の不利とされている。

同社の調査では、「次もiPhoneを選ぶ」と答えた中国ユーザーの割合が62%にまで低下。1年前は81%だったことを考えると、ブランド力の低下は明白だ。

株価も下落、アップルに突きつけられる根源的な問い

このような懸念の連鎖は株価にも反映されており、2025年初頭から約20%下落。時価総額では約7,500億ドルが吹き飛び、マイクロソフトやエヌビディアに首位の座を奪われている。

投資会社ニーダムは現在の株価を「本質的価値より約25%割高」と評価し、投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。ウェドブッシュの著名アナリスト、ダン・アイブス氏でさえ「アップルはAI競争で完全に後れを取っており、投資家の我慢も限界に近い」と語った。

一部では、「今後のアップルはソフトウェア企業ではなく、単なるハードウェアメーカーへと後退するのではないか」とする見方すら出ている。AI投資には着手しているとはいえ、そのスピードと深度はもはやライバルに大きく水をあけられているのが現実だ。

織田昌大
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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