イラク民兵組織「米国が介入すれば米軍基地を攻撃」

イラクの親イラン系民兵組織が、米国がイスラエルとイランの衝突に介入すれば、米軍基地を攻撃すると警告した。
ロイター通信によると、イラクのシーア派民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」のアブ・フセイン・アル・ハミダウィ事務総長は、現地時間15日に声明を発表し、「米国が戦争に介入した場合、米国の利益および地域内の米軍基地に対し、直接的な行動を取る」と述べた。
続けて「敵軍である米軍の地域内での動きを綿密に監視している」と付け加えた。
2003年のイラク戦争後に創設されたカタイブ・ヒズボラは、イラン主導の中東内軍事ネットワーク「抵抗の軸」の一員である。
これまでイラクとシリアで米軍とイスラエル軍を標的にした数十回に及ぶミサイルやドローンによる攻撃を、自らの犯行と主張してきた。
昨年初めには、親イラン系民兵組織の攻撃で米軍兵士が死亡したことを受け、イラク政府を困らせないために米軍への軍事作戦を一時的に中止すると発表した。
カタイブ・ヒズボラの今回の声明は、激化するイスラエルとイランの衝突に米国が介入すれば、米軍を標的とした攻撃の再開を示唆する警告と受け止められている。
カタイブ・ヒズボラを除く他の「抵抗の軸」勢力は沈黙を保っている。
レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは、イスラエルによるイラン攻撃を非難し、死亡したイラン軍の高官らに哀悼の意を表したが、イスラエルへの報復に参加する意思は示していない。
他のシーア派民兵組織も、イスラエルが今回の攻撃過程でイラク領空を侵犯したとの疑惑を提起しただけで、概ね沈黙を守っている。
ガザ地区での戦争以降、これらの組織の多くが軍事力に打撃を受けたことや、それぞれの国内政治的状況などにより士気が低下しているとの見方も出ている。