
13日(現地時間)、イランに対する全面的な空爆を開始したイスラエルは、圧倒的な空軍力の優位性を背景に、空爆開始から約48時間後にイラン国内の制空権をほぼ掌握したことが明らかになった。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の15日付報道によると、イスラエルは13日にイランへの攻撃を開始してから48時間で、テヘランを含むイラン西部の制空権を掌握したという。これにより、イスラエルは高価な長距離ミサイルを使用せずに軍用機でイラン上空から爆撃を行うことが可能となった。相手の防空網をほとんど意識せずに、主要な軍事施設や軍指揮官などの標的を迅速に攻撃できるようになったのだ。イスラエル軍のエヤル・ザミール参謀総長は「テヘランまでの飛行ルートを確立し、空中侵入作戦を遂行した」と述べ、「パイロットたちはイスラエルから数百km離れた場所に生命の危険を冒して飛行し、数百の異なる標的を精密に攻撃した」と説明した。
攻撃初期には最新鋭のステルス戦闘機F-35を投入してイランの防空システムを無力化したイスラエル軍は、現在はF-15、F-16など比較的旧型の戦闘機を使用し、統合直接攻撃弾(JDAM)やスパイス誘導爆弾など、保有量が多く比較的安価な爆弾を投下していると伝えられている。イギリスの軍事専門家マーチン・サムソン氏は「イスラエルが攻撃兵器をより効果的に大量使用し、その使用範囲を拡大する能力も獲得した」と分析している。
一部の軍事専門家は、戦争において制空権の掌握が最優先事項であるとし、イスラエルの軍事作戦をロシアのウクライナ侵攻と比較している。ロシアは2022年2月24日にウクライナに侵攻してから3年以上が経過したが、未だに制空権を掌握できていない。米空軍の元中将、デビッド・デプチュラ氏は「全体的な軍事目標を達成する上で、空軍力の優位性がいかに根本的に重要であるかが、この二つの軍事作戦で明確に示されている」と指摘。さらに「ロシアとウクライナの戦争は、双方が空中で優位を確立できずに膠着状態に陥り、最終的には消耗戦に陥ってしまった」と分析している。