
「お願いです。彼女は子供を産んだばかりです。どうか彼らに会わせてください」
6月13日(現地時間)、パレスチナ・ガザ地区中部にあるアル・アクサ殉教者病院で、モハマド・アブ・アルクムサンさんが感情を抑えきれずに叫んだ。わずか3日前の10日、彼は双子の父親となったばかりだった。子どもたちの出生証明書を受け取りに外出していた彼は、外出先で自宅アパートがイスラエル軍の空爆を受け、妻のジュマナさんと生後4日の双子が命を落としたという知らせを受けた。
『CNN』が公開した映像には、アルクムサンさんが悲しみのあまり病院内で倒れ込む様子が映されている。周囲の人々が彼の身体を支え、声をかける場面もあった。彼の手には、息子アイサルくんと娘アセールちゃんの名前と誕生日が記された出生証明書が握られていた。
CNNは病院関係者の証言として、この日イスラエル軍による空爆が複数の地域で続き、薬剤師だった妻ジュマナさんと双子を含む少なくとも23人が死亡したと伝えた。『BBC』はさらに、双子の祖母も今回の空爆で犠牲となったと報じている。

アルクムサンさんは昨年7月、イスラエルとハマスの武力衝突が始まる約3ヶ月前に結婚した。当初はガザ市内に新居を構えていたが、イスラエル軍の避難指示に従い、妊娠中だった妻と共にデイル・アル=バラフのアパートに避難していた。ジュマナさんは出産当日、自身のフェイスブックで双子の誕生を報告し、「奇跡です」と喜びのコメントを投稿していた。
CNNは今回の空爆が民間人を直接標的にした可能性があるとして、イスラエル軍にコメントを求めたが、報道時点では回答を得られていないと伝えている。
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