
アップルが第2四半期の決算を発表し、予想を上回る好業績を示した。トランプ政権による対中関税の影響で米国内では駆け込み購入が発生したほか、中国では低価格帯のiPhoneが発売されたこともあり、売上高が増加している。
アップルによると、今年第2四半期の売上高は940億4,000万ドル(約13兆8,849億4,200万円)、純利益は234億3,000万ドル(約3兆4,594億2,350万円)に達し、前年同期比でそれぞれ9.6%、9%の増加となった。2021年に記録した同四半期としての過去最高を上回る水準だという。
業績をけん引したのは、依然として「レガシー」と呼ばれる主力製品群だったとのことである。iPhoneの売上は前年より13%以上増加し、445億8,000万ドル(約6兆5,827億3,730万円)に達した。Macも2桁成長を記録したという。特に米国内では関税引き上げを見越した駆け込み購入の動きが売上増につながったと分析されている。クックCEOは「売上増のうち約1ポイントは、こうした前倒し需要によるものだ」と説明した。
また、サービス部門の売上も13.3%増の274億2,000万ドル(約4兆490億4,800万円)となり、収益の安定性を再確認する結果となった。ただし、Safariブラウザのデフォルト検索エンジンをGoogleに設定していることに関する年間約200億ドル(約2兆9,535億5,580万円)規模の契約については、米司法省による反トラスト法(独占禁止法)訴訟の判決結果によっては中断される可能性も取り沙汰されている。この判決は8月に下される見通しだという。
この日の決算説明会では、クックCEOが「AIは我々の生涯で最も深遠な技術だ」と述べたうえで、「アップル全体でAIを導入し、投資を大幅に拡大している」と強調した。生成AIの登場以降、アップルがAI競争で出遅れているのではないかという見方も続いていたが、巻き返しを図る姿勢を鮮明にした。
アップルは今年に入ってからすでにAI関連企業7社を買収しており、社内の人材再配置を通じてAI部門を強化していると明らかにした。クックCEOは「当社には優秀なチームがあり、AIにすべてのエネルギーを注いでいる」と話している。
さらにクックCEOは、「iPhoneのない世界は想像できない」とも語り、「AI時代に新たなデバイスが登場しても、iPhoneの補完的な存在にとどまるだろう」との見解を示していた。
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