
ニューヨークの移民裁判所で行われた審理に出廷した韓国人留学生のA氏が、裁判所を出た直後に米移民・税関捜査局(ICE)に逮捕された。令状なしでの拘束であるうえ、合法的な滞在が可能だったとの主張も出ており、強制退去をめぐる判断に波紋が広がっている。
『CNN』の報道によれば、米国土安全保障省のトリシャ・マクルフリン次官補は4日、「A氏は2年以上有効期限の切れたビザを所持し、不法滞在の状態だった」と述べ、迅速な強制送還の手続きを進めていると明言した。
A氏は韓国・大韓聖公会で初の女性司祭となったキム・ギリ神父の子どもで、2021年3月に宗教ビザ(R-1)を持つ母親の同伴家族(R-2ビザ)として渡米した。ニューヨークで高校を卒業後、名門パデュー大学薬学部に進学し、現在も在学中の学生だ。
7月31日、滞在資格に関する審理のためニューヨークの移民裁判所に出席。審理日が10月に延期されたことを通知された直後、裁判所を出たところでICE捜査官に拘束された。当初はマンハッタンのICE庁舎に収容され、その後ルイジアナ州の移民収容施設へ移送されたという。
だがA氏側は、ICEの判断が誤りだと主張している。A氏は2023年に滞在資格延長が承認されており、今年12月までは合法的な滞在が認められていたという。ICEがその記録を誤って解釈し、滞在資格が切れていると見なした可能性があると指摘されている。
A氏の母親が所属するニューヨーク聖公会教区の弁護士も「A氏のビザは12月まで有効」と証言し、先月の出廷は「ビザ延長申請に関する審理だった」と説明した。
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