米国の大学が留学生誘致に総力を挙げている。留学生は学費や食費、生活費などで年間438億ドル(約6兆4,734億円)を支出し、米経済に貢献している。しかし、米トランプ政権が最近、ビザ発給の遅延、特定国への入国制限、厳格な審査などを実施したため、各大学の留学生数は目に見えて減少している。各大学は、外国人学生が抜けた空席を埋めるため、熾烈な競争を繰り広げている。

22日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ノースカロライナ州の人文芸術系大学・デイビッドソン・カレッジは、開講直前まで数十名の新入留学生のビザ問題解決に向け緊急対応に乗り出したという。大学の関係者は、学生ごとの状況を毎日チェックし、他国での領事館予約を手配したり、追加書類の提出を支援したりするなど徹底した管理を行った。その結果、ケニア、インド、韓国など出身の新入生の大半が8月の開講に間に合って入国することができた。
一方、他の大学では状況が悪化している。セントルイス大学は今秋の留学生数が前年比45%減の1,900人にとどまった。特に大学院生の急激な減少が目立つ。アリゾナ州立大学は米国公立大学の中で最多の留学生を抱えているが、今年は約500人減少している。シンシナティ大学も大学院留学生が25%減少し、ニューヨーク州立大学バッファロー校も大学院課程で1,000人以上減少、特に科学・技術・工学・数学分野で大きな打撃を受けた。ただし、プリンストン、コーネル、ライス、カリフォルニア工科大学など一部の名門校では、留学生数が例年並みを維持している。
専門家は、政策の不確実性が最大の要因だと分析する。米国務省は留学生ビザの審査を強化し、中国人学生による情報漏洩の可能性に言及している。マルコ・ルビオ米国務長官は先月、中国人留学生を特に取り上げ、中国共産党と関係がある者や、競争上重要な情報を中国に持ち帰る可能性がある者を探していると述べた。また、米国のドナルド・トランプ大統領は先月、ビザの超過滞在と国家安全保障上の懸念を理由に、イラン、アフガニスタン、ハイチなど19か国に対して広範な入国禁止措置を実施した。これにより、合格通知を受けた学生の米国行きビザが遮断される事態になっている。
バーモント大学で化学博士課程に進むためビザ取得を目指していたイラン国籍のA氏は「私たちは研究に専念する学生に過ぎない」と述べ、「政治とは無関係であり、テロリズムと混同されるべきではない」と訴えた。A氏ら数百人のイラン人は、入学許可を得た学生のために例外措置を設けるよう、政治家に要請している。
需要の減少も一因になっている。最近、米国内の技術職の雇用見通しが不透明になり、海外学生の理工系修士課程への応募が減少しているとの分析もある。ニューヨーク州立大学バッファロー校の関係者は「ビザ問題が一部影響しているが、急増した修士課程への需要が冷め始めたことも主な要因だ」と説明した。
専門家は、長期的な影響を懸念している。米国が留学生にとって予測困難な国と認識されることで、今後、優秀な人材の誘致がさらに難しくなるとの指摘が出ている。コーネル大学のウェンディ・ウルフォード国際業務担当副学長は「米国が不確実で予測不可能な留学先だという認識が広がっている」と述べ、「他国の大学がこの機会を利用して優秀な学生を積極的に誘致しており、長期的に米国に悪影響を及ぼすと考えている」と語った。
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