
「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが、オキシデンタル・ペトロリアムの石油化学子会社オキシケムを約100億ドル(約1兆4,800億8,360万円)で買収する方向で最終交渉に入っている。成立すれば、バークシャーにとって過去3年間で最大規模の取引となる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)や英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、バークシャーはオキシデンタル株の26.9%を保有しており、今回の買収資金は株式ではなく現金で調達する計画だという。
本社をテキサス州ヒューストンに置くオキシデンタルは、総額240億ドル(約3兆5,522億2,800万円)に上る負債削減の一環としてオキシケム売却を進めている。オキシケムは6月末までの1年間で約50億ドル(約7,400億4,360万円)の売上を計上しており、9月末時点のオキシデンタルの時価総額は約465億ドル(約6兆8,823億4,960万円)に達している。
95歳のバフェット氏は年内にバークシャーのCEOを退任する予定だが、バークシャーは現在約3,500億ドル(約51兆8,016億9,600万円)の現金を保有している。今回の買収が成立すれば、2022年に保険会社アレガニーを116億ドル(約1兆7,168億5,620万円)で買収して以来、最大の取引となる。
バフェット氏にとって化学分野への大型投資はこれが2度目となる。2011年には約100億ドルを投じ、特殊化学メーカーのルーブリゾールを買収した経緯がある。また、オキシデンタルが2019年に競合のアナダルコ・ペトロリウムを550億ドル(約8兆1,392億540万円)で買収した際には、100億ドルを出資し取引を後押しした。
オキシデンタル株主であるスミッド・キャピタル・マネジメントのコール・スミッドCEOは「石油化学部門の売却は負債削減と、本業である石油・ガス部門でのM&A推進を可能にする前向きな決断だ」としたうえで、「今後オキシデンタルは株式交換によるM&Aを通じて、コノコフィリップスのように『米国第4のメジャー』へ成長すべきだ」と述べた。
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