
アップルが、ティム・クックCEOの後継者に関して議論を進めている。有力な次期CEO候補として、アップルのハードウェエンジニアリング担当上級副社長であるジョン・ターナス氏の名前が挙がっている。
ブルームバーグの報道によれば、クックCEOは退任や辞任について公式に言及していないものの、アップルは今後のスムーズな継承に向けて内部で準備を進めているという。2011年にスティーブ・ジョブズ氏の後を継ぎCEOに就任したクックCEOは、来月1日に満65歳を迎える。株式情報サイトStocktwitsによれば、クックCEOの指揮下でアップルの株価は約18倍に上昇したという。
ジョブズ氏がiPhoneのようなデバイスを日常に導入し、ユーザーと技術の関わり方を変革したのに対し、クックCEOはアップルの体験を拡張したと評価されている。クックCEOの体制下で、アップルはサブスクリプションサービス、イヤホン、ウェアラブル端末など、より多くのモバイル製品を展開し、iPhoneを基盤とした事業を構築した。Apple Payの導入、10年前にはApple Watchの発売、そしてApple TV+を通じたエンターテインメント事業への参入を果たした。
ブルームバーグは、クックCEOの後継CEO候補として、現在アップルのハードウェエンジニアリング担当上級副社長であるジョン・ターナス氏が最有力であると伝えている。ターナス氏はアップルで20年以上勤務しており、CEO昇進に必要な知識と経験を有していると評価されている。現在50歳のターナス氏は、クックCEOがCEOに就任した時と同じ年齢であり、少なくとも今後10年間にわたり一貫したリーダーシップを発揮できる点も強みとされる。
アップルもターナス氏を前面に押し出している。9月のアップルの年次開発者会議では、ターナス氏が登壇し、アップル史上最薄のiPhone「iPhone Air」を紹介するとともに、関連のインタビューにも直接応じた。さらに、ロンドンのApple Storeで行われた発売イベントにも自ら出席した。
これまでアップルのナンバー2であったジェフ・ウィリアムズ前COOは、数年来クックCEOの後任として最有力視されていた。しかし、ウィリアムズ氏は今年初めにCOOを退任し、年末には完全に引退する予定であり、クックCEOの長期在任によってCEO就任の機会を逸した。
56歳のソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長クレイグ・フェデリギ氏と、62歳のワールドワイドマーケティング担当上級副社長グレッグ・ジョスウィアック氏も後継者候補として名前が挙がっている。2009年からアップルに在籍するフェデリギ氏は、イベントでの製品発表など広報活動で注目を集めている。1987年からアップルに携わるジョスウィアック氏は、iPadとiPhoneの発売を指揮した。
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