ガザ戦争の裏で拡大する取引 米防衛産業がイスラエルに約4兆9,000億円規模の武器を販売

ガザ地区での戦闘が始まって以降、アメリカの大手防衛企業がイスラエル向けに過去最大規模の売上を記録していることが明らかになった。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が12日に報じたところによると、国務省の資料を基に集計したイスラエル向け武器販売の承認額は、2023年10月の戦争勃発以降、320億ドル(約4兆9,000億円)を超えた。中東の主要同盟国であるイスラエルへの武器輸出は従来から続いていたが、戦闘開始後にその規模が一気に膨らんだ。
最も多くの契約を獲得したのは、F-15戦闘機を製造するボーイングである。
アメリカ政府は昨年、188億ドル規模のF-15販売を承認し、今年はさらに、79億ドル(約1兆2,200億円)相当の誘導爆弾や関連装備の供給も認められ、いずれもボーイングが中心となって生産を進めている。
このほか、戦闘機部品を供給するノースロップ・グラマンや、精密誘導ミサイルを手がけるロッキード・マーティンも大型契約で業績を伸ばした。ロッキード・マーティンは年次報告書で「ガザ戦争とウクライナ戦争の影響で需要が拡大した」と説明している。同社のミサイル部門の売上は前年比13%増の127億ドル(約2兆円)に達した。
装甲車メーカーのオシュコシュも戦術車両の追加注文を受け、昨年中に閉鎖予定だった生産ラインを稼働延長した。
一方で、イスラエル向け武器販売を巡っては投資家からの反発も起きている。10月にはオランダ最大の年金基金ABPが、ガザ戦争への懸念を理由に、イスラエル国防軍へ装甲ブルドーザーを納入するキャタピラー株4億4,800万ドル(約690億円)相当を売却した。さらにノルウェーの3つの投資ファンドが、イスラエル国防省と契約するAI企業パランティアやキャタピラー、オシュコシュ、ティッセンクルップの株式を相次いで整理した。
イスラエル向け武器販売の急増について、国務省は「トランプ政権は一貫してイスラエルの自衛権を支持し、ガザ戦争の終結に向けて外交的取り組みを主導してきた」と説明している。















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