
中国で自動運転技術を利用した「ロボタクシー(無人タクシー)」が道路で人をはね、重傷を負わせる事故が発生した。業界は「中国のロボタクシー産業史上初の重大事故」だと指摘している。
8日、中国の経済メディア「財新」などによると、6日に中国湖南省株洲市で2人がロボタクシー「Hello(ハロー)」に巻き込まれる事故が発生した。事故を起こした企業はロボタクシーの運行を一時中断した。当局はまだ公式発表を行っていない。
「TikTok」などのSNSで拡散された映像や写真には、市民が車両を持ち上げてロボタクシーの下敷きになった負傷者を救助する場面が映っている。業界関係者によると、事故地点の路面が雨で滑りやすい状態で、電動自転車で走っていた被害者が転倒し、ロボタクシーがこれを適時に認識できずに車両の下に巻き込んだ可能性が高いとみられている。
「ハロー」は元々、シェアサイクル事業からスタートし、今年6月にロボタクシー市場への進出を発表後、アリババの金融子会社アントグループ、中国1位のバッテリー企業CATLなどと共に上海に高度自動運転が可能なレベル4(L4)自動運転に重点を置いた会社を設立した。現在までに湖南省株洲と江蘇(こうそ)省溧陽(りつよう)に自動運転タクシーを投入しており、9月には初の量産型ロボタクシーモデルの発売を発表した。
今回の事故により、中国の「先端技術の躍進」を示す代表産業として位置づけられたロボタクシー産業にも当分の間ブレーキがかかることになりそうだ。中国当局はすでにロボタクシー企業に対し、今回の事故と類似の状況を合理的に処理できるかを説明する報告書の提出を求めているという。ある業界関係者は「財新」に「ハローだけでなく、他のロボタクシー会社も報告書を提出しなければならない」とし「今回の事故がロボタクシーに対する一般市民と規制当局の態度に影響を与え、さらには規制政策がより厳格化されるきっかけになる可能性がある」と懸念を示した。
















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