
米国で、無人自動運転タクシー「Waymo」を利用しようとした女性が、車両のトランク(荷室)に潜んでいた男性を見つけたとして、無人タクシーの安全性を巡る議論が改めて注目されている。
米フォックスニュースなどによると、事案は9日(現地時間)、ロサンゼルス(LA)のマッカーサー公園付近で起きた。女性は配車アプリ上で「空車」と表示された車両に近づき、車内を確認したところ、荷室に男性がいるのを発見したという。
女性が撮影した動画では、男性が後部座席付近の荷室側に身を寄せた状態で手を振り、会話を試みる様子が映っていた。女性が「なぜトランクにいるのか」と問いかけると、男性は「誰かに入れられた」と話し、入れた人物や理由については「人々がそうした」と繰り返すだけだったという。男性は「出してほしい」と訴え、女性は動揺して息を荒らす様子も見られた。

女性が投稿した別の動画には、駆け付けた警察が男性に事情を聴く場面が収められていた。報道によると、LA警察は現場に出動したものの、直ちに犯罪の疑いを認める事情がないとして男性を逮捕しなかったという。女性は事後に、「誰が男性を荷室に入れたのか、あるいはどうやって入ったのか説明が必要だっただけだ」と話し、困惑を示した。
Waymo側は、サポートチームがリアルタイムで利用者に連絡し、安全を確認したと説明したうえで、今回を「容認できない事例」だとして再発防止に向けた改善策を検討しているとした。
今回の一件は、先月28日にLAで警察が道路を封鎖し、路上の人物に銃を向けて対峙していた現場の至近をWaymo車両が走行したとして議論を呼んだ直後に起きたこともあり、関心が高まっている。これまで「安全で慎重」との評価が目立っていた一方、最近は運転が荒くなったとする報告が増えているとも伝えられている。

実際、10月にはジョージア州で、スクールバスが赤色灯を点灯し停止標識を出して停車していたにもかかわらず、Waymo車両が停止せず追い越したとして、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が照会した。米国ではスクールバスが赤色灯と停止標識を掲げて停車している場合、後続車は追い越しや通過が禁じられている。Waymo側はソフトウェア上の不具合を把握したとして、全国で3,000台超をリコール対象にしたという。
さらに、2車線のトンネルで複数のWaymo車両が同時に車線変更して蛇行するように走行した例や、信号無視、停止線を越える動き、横断歩道で歩行者が通過直後に加速する場面が目撃されたとも報じられた。サンフランシスコでは10月末に猫をはねて死なせたほか、先月末にも小型犬との接触事故があったとする地元紙の報道もある。
Waymo側は、以前から「慎重すぎて遅い」との不満もあったことを踏まえ、ここ数か月はより積極的に走行できるよう自動運転システムの改善を進めてきたとしている。ただ、こうした事案が重なったことで、利用者の不安はむしろ強まっている。ある利用者は「ドアを開けるたび、トランクや車内に誰もいないか確認してしまう」と話し、別の女性も「無人タクシーでも安心できるようにしてほしい」と述べたという。













コメント1
磯爺
いやいや、単にオッサンが暇で遊んでたんだろ?