軍「台湾独立・外部勢力に警告」
3年4か月ぶりに実弾射撃訓練を実施

中国軍が実弾射撃訓練を含む台湾包囲訓練を開始した。台湾問題を巡って中国と日本の緊張が高まる中、米国が台湾に対し過去最大規模となる武器売却を承認したことへの反発とみられている。
中国人民解放軍東部戦区は29日、公式SNS微信を通じ「正義の使命2025」という作戦名で台湾島周辺を包囲する陸・海・空・ロケット軍による合同軍事演習を実施すると発表した。訓練は台湾島を取り囲む5か所で行われ、駆逐艦、フリゲート艦、戦闘機、爆撃機、無人機などが投入される。30日には実弾射撃訓練も行うとしている。
中国軍の台湾包囲訓練は、今年4月初めに実施された「海峡雷霆2025A」以来、約9か月ぶりとなる。台湾が中国を「敵対勢力」と位置づけたことへの反発として行われたとされる。
今回の訓練は、米国が台湾に対し過去最大規模となる111億540万ドル(約1兆7,405億267万192円)相当の武器売却を決定したことへの対抗措置と受け止められている。東部戦区の施毅大校は「台湾独立勢力および外部干渉勢力に対する厳重な警告だ」とし「国家主権を守り、統一を実現するための正当な行動だ」と強調した。
中国外務省北米大洋洲司(北米局)も同日、SNS上で声明を発表し「米国は台湾を武装させることの深刻な結果をはっきり認識すべきだ」と警告した。さらに「武力で台湾独立を支援するなら、自ら火に油を注ぐ行為であり、中米間の衝突と対立のリスクを高めるだけだ」と批判した。
北米局は1954年から1955年に米国が艦隊を派遣し、中国と台湾の軍事衝突を抑止した第1次台湾海峡危機に言及し「中国は70年前の中国ではなく、現在の両岸の力関係には根本的な変化が生じている」と述べ、中国の国力向上を誇示した。
第1次台湾海峡危機は台湾が中国本土に近い馬祖島・金門島を要塞化したことに対し、中国が軍事出動と砲撃で対抗したことで発生した。この危機を受け、米国は1955年2月に台湾と相互防衛条約を締結した。その後、中国が1955年4月のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)で「平和五原則」を打ち出し、米国に対話姿勢を示したことで事態は沈静化した。
今回の訓練で中国がどの程度まで軍事的圧力を強めるかが注目されている。中国は、ナンシー・ペロシ元米下院議長の台湾訪問後の2022年8月以降、台湾包囲訓練を計7回実施してきたが、実弾射撃訓練を伴ったのは2022年8月のみだった。
昨年5月と10月に行われた「連合利剣-2024A・B」訓練では、台湾島により近い海空域で訓練を行ったものの、指定区域内での航空機・艦艇演習にとどまっていた。
今回、約3年4か月ぶりに実弾射撃訓練が再開され、中国軍が台湾の領海基線を越えたり、ロケット軍がミサイル発射訓練を実施した場合、対台湾軍事圧力が「新たな段階」に入ったとみなされる可能性があると、シンガポール紙・聯合早報は伝えている。
台湾の国防安全研究院の沈明室研究員は「ヨウ・ジービン東部戦区司令官が最近大将に昇進し、幹部粛清も続く中で、今回の訓練は中国軍が依然として強力であることを内外に示し、国内での権威を固め、対外的な抑止力を誇示する狙いがある」と聯合早報に語った。
台湾総統府の郭雅慧報道官は「中国当局は国際規範を無視し、軍事的威嚇によって周辺国を脅かしている」とし「台湾はこれを強く非難する」と表明した。
















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