
「私はベネズエラ共和国の大統領だ。1月3日からここに強制的に拘束されている」
人口約2,800万人の国の指導者であるニコラス・マドゥロ大統領は、麻薬密売の容疑をかけられ、一夜にして米国の法廷に立たされた。5日(現地時間)、ニューヨーク南部連邦地方裁判所で行われた初公判で、裁判官による本人確認の質問に対し、こう答えた。
オレンジ色のズボンに紺色の上着を着用したマドゥロ大統領は、法廷内では手錠が外されていたものの、足首には依然として足かせがはめられていた。法廷に到着した直後には、弁護士らと握手を交わすなど余裕の表情を見せた。
審理を担当したアルビン・ヘラーシュタイン判事は、マドゥロ大統領に敬称「Sir」を用いてマドゥロ大統領に被告人としての権利を説明した。マドゥロ大統領は両手を前に組み、判事の説明に耳を傾けるとともに、あらかじめ用意した紙にメモを取る場面もあった。裁判所は、スペイン語で発言するマドゥロ大統領の内容を正確に記録するため通訳を配置し、彼には通訳用のヘッドホンも提供された。
ヘラーシュタイン判事が有罪認否を尋ねると、マドゥロ大統領は「私は無実であり、無罪だ。私は品位ある人間で、今も自国の大統領である」と答えた。さらに「私のメモを保持することを許可してほしい」と求めたところ、判事も「保管する資格がある」と承諾した。
マドゥロ大統領と共に逮捕されたファーストレディ、シリア・フローレス氏も同日に裁判を受けた。逮捕時に負傷したとみられ、目と額に包帯を巻いていた。自身を「ベネズエラのファーストレディ」と紹介したフローレス氏は「私は無罪であり、完全に無実だ」と述べ、容疑を否定した。
この日の裁判は約30分で終了し、次回公判は3月17日に予定されている。マドゥロ大統領夫妻の弁護団はこの日、保釈申請は行わなかったが、今後の拘束の適法性を争う意向を示唆した。マドゥロ大統領の弁護は、かつてウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジを弁護したバリー・ポラック弁護士が担当する。
法廷周辺は早朝から、マドゥロ大統領を支持する人々と反対するデモ隊で混雑した。米司法当局は、ブルックリンのメトロポリタン拘置所に収監されているマドゥロ大統領を、ヘリコプターと装甲車を動員して法廷まで護送した。マドゥロ大統領は法廷を後にする際、自身を非難する傍聴者に向かって「私は戦争捕虜だ」と述べた。
















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