
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、停戦が成立した場合には大統領選挙および国民投票を直ちに実施する構想に言及しているが、実現の可能性は低いとの見方が出ている。
ウクライナのメディア「キーウ・インディペンデント」は13日(現地時間)、戦争が正式に終結する前に選挙や国民投票を実施するには、法的・政治的・現実的な障害が数多く存在すると報じた。最大の前提条件である停戦自体がロシアの拒否により不透明なうえ、仮に停戦が実現したとしても、短期間で準備された選挙では、公正性や競争性、民主性を担保することは難しいとの指摘がある。特に、領土保全を侵害する可能性のある和平合意を国民投票に付すことは、違憲の恐れがあるとの批判も出ている。
野党ホロス所属のヤロスラウ・ユルチシン議員は「重要なのは、国民が選挙結果をどれだけ信頼できるかだ」とした上で、「今後ロシアとの交渉を進める政府の正当性を確保することが何より重要だ」と述べた。
ゼレンスキー大統領は先月、和平案に大統領選の実施が盛り込まれる可能性があり、合意案は議会の批准または国民投票を経る可能性があると明らかにした。しかし、そのためには戒厳令を含む法改正が前提となる。ウクライナでは2022年のロシアによる全面侵攻以降、戒厳令が維持されており、戒厳令下では大統領選、国会議員選挙、地方選挙が明確に禁止されている。専門家らは、戒厳令解除後に選挙を実施することが、現実的な選択肢だとみている。
選挙監視団体「オポラ」のオルハ・アイバゾウスカ代表は、「戒厳令は市民の自由を制限するため、その下で行われる選挙を民主的とみなすのは難しい」と指摘した。
一部では、ゼレンスキー大統領が国民投票を再選戦略として活用しようとしているとの分析も出ている。政治アナリストのウォロディミル・フェセンコ氏は、「選挙と国民投票が同時に行われれば、ゼレンスキー大統領は和平合意の保証人として映る可能性がある」と語った。一方で、実際の実施意図というより、米国との関係を考慮した外交的ジェスチャーに近いとの見方もある。与党所属のオレクサンドル・メレズコ議員は「ウクライナは米国に依存しており、トランプ氏との関係を悪化させることはできない」と述べた。
仮に政治的意思があったとしても、議会通過の可能性は低いとの見方が支配的だ。通常法案には226票、憲法改正には300票が必要だが、最近では単純な法案でさえ160~170票の確保にとどまっているためだ。論争の大きい和平合意に賛成すれば、「売国」との批判を受けかねない政治的負担も大きい。
選挙準備だけでも約9か月を要するとされ、海外在住の国民向けオンライン投票についても、セキュリティや公正性の問題から反対が強い。ウクライナ憲法は、国家の独立や領土保全を侵害する決定を禁じており、東部地域からの撤退やロシア占領地の事実上の承認も違憲の恐れがあると指摘されている。国民投票の有効要件である投票率50%の達成も、難民や国内避難民の問題により、事実上困難とみられている。
ユルチシン議員は「戦争の正式な終結と戒厳令解除以前には、選挙や国民投票など、権力の変化を想起させるいかなる手続きも不可能だ」と強調した。
一方、現地メディア「ウクリンフォルム」によると、先月、社会・マーケティング調査機関ソシスが実施した世論調査では、大統領選が早期に行われた場合、ゼレンスキー大統領の支持率は30.6%、ウクライナ軍の前総司令官であるヴァレリー・ザルジニー将軍は29.6%と、僅差となった。
















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