
ロシアは2日(現地時間)、今後のロ韓関係の方針を固めるうえで、韓国がウクライナへの武器供与を巡って「レッドライン」を守るかどうかを重視する考えを示した。関係改善に前向きな姿勢を打ち出してきたイ・ジェミョン政権に対し、言葉先行だとして不満をにじませた格好だ。ロシア極東では韓国人宣教師の拘束が相次いでいるとされ、両国関係の先行きに影を落としている。
ロシア外務省は、朝鮮半島情勢に関する立場を問う聯合ニュースの質問に対し、同日、公式サイトに回答を掲載した。外務省は「ロシアの国益を考慮し、韓国との今後の関係路線を構築する」としたうえで、「韓国が西側の反ロシア制裁キャンペーンに追随することを拒み、キーウ政権への殺傷武器供給の問題でレッドラインを順守するかどうかに関わる」と強調した。
外務省はまた、ロ韓関係が「韓国の前政権の非友好的な行動で大きく悪化した」と述べ、ユン・ソンニョル政権を念頭に置いたとみられる言及も行った。一方で、イ大統領の新政権が二国間の政治対話や貿易・経済関係の正常化に意欲を示している点には触れつつ、具体的な措置を「ウクライナ情勢の解決を含む有利な外部条件の形成」と結び付けている、と評価した。
この発言は、韓国側が関係正常化を口にしながら、制裁緩和や貿易再開、高官級交流といった実務を外部環境の改善後に先送りしている、という不満の表明と受け止められている。韓国が米国や西側の対ロ政策の枠組みから離れ切れていないとの警戒感も透ける。さらに、韓国の「条件付き」姿勢を一種の口実と位置づけ、ロシア側も韓国の出方次第で、北朝鮮との連携強化を含む対応カードを切り得ると示唆した、と読む向きもある。
イ大統領は選挙戦の段階から、中国やロシアと不要に対立する必要はないと主張してきた。昨年7月の就任30日記者会見でも、ロシアや中国との関係改善に関心があると述べている。ただ、現実には経済面で慎重姿勢も見え、現代自動車は先月31日が期限だった「ロシア・サンクトペテルブルク工場」の再取得(バイバック)オプションを行使しない方針を決めた。
ロシアが「殺傷武器の供給」をロ韓関係のレッドラインとして示すのは今回が初めてではない。プーチン大統領は2024年にも、韓国がウクライナへ武器を供給していない点に謝意を示し、関係回復に前向きだと語ったとされる。もっとも同年、ロシアが北朝鮮と包括的戦略的パートナーシップ条約を結び、韓国側が武器支援の再検討に言及すると、プーチン大統領は「殺傷武器をウクライナの戦闘地域に送るのは非常に大きな誤りになる」と警告したという。
こうした中、ロシア極東で韓国人宣教師の拘束が続いている。報道によれば、ロシア当局は極東ハバロフスクで活動していた韓国人女性宣教師のパク氏を先月末に逮捕・拘束し、本人が運営していた宗教施設も解散させたとされる。2024年1月には、ウラジオストクで活動していた韓国人宣教師のペク氏が「スパイ容疑」で逮捕されており、2年が経過しても裁判に至っていないという。
現地メディアは当局の説明として、パク氏が子ども向けの宗教キャンプを運営し、聖書の写経など厳格な日程で生活させていた点や、米国系宗教団体に所属していた点を強調した。捜査当局は、パク氏が韓国人宣教師のロシアへの不法入国を助けた疑いもあるとしている。一方で、当局が第三者の告発をきっかけに調査を始めたとされ、報道内容が一方的だとの指摘も出ている。
在ロシア韓国大使館と在ウラジオストク総領事館は領事面会を通じ、パク氏の健康状態や拘束の経緯、事実関係の確認を進めている。拘束事案がロ韓関係悪化のさなかに重なっているだけに、解決が難航するのではないかとの懸念もある。ロシアで長期拘束される外国人が、外交交渉の材料として扱われる例があるとも指摘されている。
ロ韓関係は、2022年2月のロシアによるウクライナへの「特別軍事作戦」開始後、西側が対ロ制裁を拡大し、韓国もこれに同調したことを受け、ロシアが韓国を「非友好国」に指定したことで冷え込んだ。ただ、ロシア外務省は、昨年9月の国連総会期間中にラブロフ外相とチョ・ヒョン外交部長官が会談したことなどに触れ、外交ルートを通じて互いの立場を伝えてきたとも付け加えている。プーチン大統領も先月15日、駐ロシア大使の信任状捧呈式で、過去に両国が実務的な姿勢を保ち貿易・ビジネスで成果を上げたとしたうえで、関係回復への期待を口にしたとされる。
















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