
アメリカとロシアの戦略核兵器を制限する新戦略兵器削減条約(新START=New Strategic Arms Reduction Treaty)が4日午前0時(グリニッジ標準時、日本時間5日午前9時)に失効した。
新STARTは、アメリカが2019年に中距離核戦力(INF)全廃条約から脱退して以降、両国間で唯一残っていた軍備管理協定だった。
過去の枠組みを振り返ると、1972年に締結された弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM条約)は、2002年にアメリカが脱退して終了している。INF全廃条約も2019年にアメリカが離脱し、昨年はロシアも脱退を宣言して、事実上機能を失った。
核大国である米ロの核兵器制限の枠組みが期限切れとなり、世界は核管理の歯止めを欠く状況に入った。新たな条約で置き換えられないまま核軍拡競争が進むのか、先行きが注視される。
ロシアは「世界が危険な瞬間へ向かっている」と警告してきた。一方、ドナルド・トランプ米大統領は先月、ニューヨーク・タイムズのインタビューで、失効は失効だと受け止めた上で、より良い合意を結べばよいとの趣旨を述べたものの、現時点で再交渉の具体的な動きは見えていない。
英紙ガーディアンは、今回の失効が、世界的な不安定さが増す中で50年以上続いてきた軍備管理の終焉を告げるものになり得ると指摘し、第2次世界大戦後に形成された規則に基づく国際秩序の崩れを加速させかねないと警鐘を鳴らした。
新STARTは2010年4月8日、ドミートリー・メドベージェフ露大統領とバラク・オバマ米大統領が署名し、翌年の2011年2月5日に発効した。オバマ大統領は当時、チェコのプラハで「核兵器のない世界」を目標に掲げていた。
条約は、配備済み戦略核弾頭の上限を米ロそれぞれ1,550発に設定する。配備・非配備を含む戦略発射台は800基、配備済みの大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、重爆撃機は合計700基(機)に制限すると定めた。
さらに、新STARTには検証の仕組みも組み込まれている。2010年から2023年までに、現地査察328件、通報25,449件が実施された。
条約は2021年2月に一度、5年間延長された。ただ、ロシアによるウクライナ侵攻後に米ロ関係が悪化し、両国の情報交換が止まったことで、実質的には機能不全に陥っていた。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、アメリカは軍事備蓄として約3,700発の核弾頭を保有し、このうち1,770発を配備、1,930発を保管している。ロシアは約4,309発を保有し、配備が1,718発、保管が2,591発とされる。
















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