
中国当局が、春節(旧正月)を前に「非婚・非出産」を肯定・助長するオンラインコンテンツを「不良な価値観」と位置づけ、1か月間の集中取り締まりに乗り出す。
中国のインターネット規制当局、国家インターネット情報弁公室は12日、「清朗(チンラン)・2026年 春節の健全で秩序あるネット環境整備」特別行動を同日から1か月間実施すると発表した。
重点的な取り締まり対象には、否定的感情をあおる投稿、生成AIを用いた低品質コンテンツの大量生成・拡散、虚偽情報の作成・流布、違法行為への誘導などが含まれる。
中でも、非婚や非出産を推奨したり、結婚そのものを否定・批判する言説については「不良な価値観」と明記。男女間の対立をあおる内容や、「結婚恐怖」「出産不安」を過度に強調するコンテンツも規制対象とした。
さらに、春節に絡めて贈答品の比較などを通じた過度な見せびらかし消費の助長、人気芸能番組やスポーツイベントを巡るオンライン上のファンダム対立の扇動行為も取り締まる方針だ。
AI技術を使い、内容が類似し論理性に欠ける低品質コンテンツを大量生産・拡散する行為も対象に含めた。
当局は「主要プラットフォームに専門チームを設置し、祝日期間中の常時監視を強化する」と説明。トップページ、リアルタイム検索ワード、レコメンドアルゴリズム、コメント欄など“重点エリア”の管理責任を一段と厳格化するとしている。
■ 深刻化する少子化
背景には、中国で急速に進む少子化問題がある。
国家統計局によると、昨年の中国の総人口は前年比339万人減の14億489万人。2022年以降で最大の減少幅となった。
出生数は2024年の954万人から792万人へと大幅に減少。人口1000人当たりの出生数を示す粗出生率も5.63と、1949年の新中国成立以来の最低水準を記録した。
人口を維持するために必要とされる合計特殊出生率は2.1とされるが、中国は2023年以降、公式な数値を公表していない。専門家の間ではすでに1.0を大きく下回っているとの見方が強く、昨年は0.98前後との推計もある。
中国の人口学者、梁中堂氏は台湾・中央通信社に対し「2024年時点で中国の合計特殊出生率は0.7程度にまで低下している可能性がある」と指摘。「日本(1.15)や韓国(0.75)をも下回る水準だ」との見解を示している。
春節という最大の祝祭を前に、当局は“価値観”の統制強化に踏み出した形だ。













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