トランプ大統領、最高裁の違法判断後に「15%グローバル関税」発表

出典:AFP通信
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20日(現地時間)の米連邦最高裁による相互関税の違法判断を受け、米国と貿易を行う各国の明暗が分かれている。米国のドナルド・トランプ大統領は判決後、通商法122条に基づき150日間、グローバル関税率15%を課すと発表した。

これにより、中国やインドなど一部の国は従来より低い関税率が適用される見通しとなる一方、英国やオーストラリアは対米貿易合意を結んでいたにもかかわらず、より高い関税負担を強いられる可能性がある。グローバル関税のリセットに伴い、各国の実効関税率がどの程度となるかの試算も進んでいる。

22日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、今回発表された15%関税で恩恵を受けるとみられる国は、中国(従来20%)、インド(18%)、カナダ(35%)、メキシコ(25%)、ブラジル(50%)、南アフリカ(30%)、タイ(19%)、インドネシア(19%)、マレーシア(19%)、フィリピン(19%)、ベトナム(20%)、カンボジア(19%)、ラオス(19%)、カザフスタン(25%)、パキスタン(20%)、イラク(35%)などだ。

一方、従来10%の関税が適用されていた英国、オーストラリア、モンゴル、ロシア、サウジアラビア、イラン、アルゼンチン、ペルー、チリ、コロンビア、ウルグアイ、パラグアイなどは15%への引き上げにより負担増となる見通しだ。

日本、韓国、欧州連合(EU)は従来の関税率が15%だったため水準自体は変わらないとされる。ただ、対米協議を通じて通商面で譲歩や米国内への新規投資を約束してきた経緯があることから、今後、再交渉を求める声が出る可能性も指摘されている。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、通商研究機関グローバル・トレード・アラート(GTA)は、トランプ大統領のグローバル関税が各国に与える影響について、日本と韓国の平均関税率はEUの0.8ポイント増より小幅にとどまるものの、上昇するとの見通しを示した。

最大の恩恵国はブラジルと中国…平均関税率それぞれ13.6ポイント、7.1ポイント低下

特に中国とブラジルは、今回トランプ大統領が新たに導入した関税で最大級の恩恵を受ける国として挙げられる。GTAはブラジルの対米平均関税率が13.6ポイント低下し、主要国の中で最大の引き下げ幅になると推計した。中国も7.1ポイント低下すると見込まれている。

米金融大手モルガン・スタンレーのエコノミストらは、中国製品に対する平均関税率が32%から24%へ低下すると予測した。アジア諸国の加重平均関税率も20%から17%へ下がると見込まれた。

ブルームバーグ通信は「トランプ大統領の関税で最も打撃を受けていた国々が、最高裁の非常権限関税無効判断によって最大の受益国へと急転した」と伝えた。

これに関連して中国商務省の報道官は23日、今回の判決の含意を総合的に評価しているとの立場を表明した。報道官は声明で「米国が通商調査など代替措置を準備している点も確認した」とし「中国はこのような動向を注視し、自国の利益を断固として守る」と強調した。

イェール大学「米国の実効関税率、最高裁判決後に16%から13.7%へ低下」

引用:Depositphotos
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また、米国も今回の関税発表に伴い、実効関税率と税収に変化が生じる見通しだ。実効関税率とは、例外措置や品目差を反映した輸入全体に対する平均関税水準を指す。イェール大学予算研究所は22日(現地時間)の報告書で、最高裁判決直前の米平均実効関税率は16%だったが、判決後にトランプ大統領が発表した122条に基づく15%のグローバル関税を適用した場合、13.7%に低下すると試算した。

報告書は、122条に基づく15%関税が150日後に終了した場合、トランプ大統領の関税政策全体で約1兆3,000億ドル(約200兆8,780億220万円)の歳入が見込まれると推計した。15%関税が恒久化された場合には2026年から2035年で約2兆2,000億ドル(約340兆6,400億6,530万円)の税収を生み出す可能性があるとした。これは、今回無効化された国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税収入の推計額2兆6,200億ドル(約406兆8,540億1,170万円)よりやや少ない水準だ。

ただし、トランプ大統領は他の法的手段による追加関税も示唆しており、最終的な水準が維持されるかどうかは不透明との見方が出ている。

梶原圭介
梶原圭介

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